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河津聖恵のブログ 「詩空間」

この世界が輝きわたる詩のプリズムを探しつづける。

「補助金見送り」──怒りがおさまりません

怒りがおさまりません。

肖像画への世間一般の違和感を利用しつつ
いわゆる仮想敵国の指導者への敵意を煽りながら朝鮮学校をバッシングしてきた
橋下知事とマスコミ。

再三いいますが知事には
朝鮮学校へのバッシングを広く正当化してきた重大な責任があります。

橋下知事
日本という共同体がようやく未来へ向けて展開しようとしていた
「共同性」や「多様性」という物語の大切な局面を粉々にしたのです。

知事は一年ものあいだ、バッシングに屈せず、耐え抜いた学校や生徒達に対し
補助金の打ち切りという最悪の社会的制裁を加えました。
その理由が、肖像画であることが恐ろしい。

肖像画とはいわば聖痕(スティグマ)です。
そこにそれがあるだけで、朝鮮学校が疑わしきものに見えるように
マスメディアは私たちに
視覚的な負の体験をくりかえし強いてきました。

肖像画がもたらす視覚的な違和感。
何度も繰り返され
マスコミによってスキャンダラスにかきたてられてきた
非言語的な違和感。

なぜそんなに気に入らないのか、ときかれてうまく説明できるでしょうか。
「国交がないから」「仮想的国だから」と説明しようとしても
そこに誰しもがしらじらしい説得力のなさを覚えるはずです。

それはまさに言葉にならない感情だからです。
ただ漠然とした「気に入らない」という感情、、
そして漠然としているからこそ、いつしか恐怖心にもみまごう感情。

そのような曖昧に放置された世間一般の感情、
民衆の非言語的で漠然とした感情を武器に
法的根拠もなく、いえ憲法に違反して、橋下知事は教育への政治介入を行ったのです。
まさに戦前そのもののように(そのような意図は明確にあるでしょう)。
これ以上、歴史のあともどりは許してはならないと
戦慄を覚えます。