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河津聖恵のブログ 「詩空間」

この世界が輝きわたる詩のプリズムを探しつづける。

2010-08-01から1ヶ月間の記事一覧

誰もが誇りを持てません

今、「国家」(を標榜するもの)に怒りをおぼえています。自分なりにまっとうな怒りだと思っています。 今日8月末日は文科省が私たちに約束した朝鮮学校の無償化除外問題に対して結論を出す期日でした。しかし専門家会議の報告書は公表され同省の政務三役は…

「詩と思想」9月号

「詩と思想」9月号の特集は「日韓環境詩・李箱生誕100年」。 私も、以前ブログでも少し触れた、リンギスの「汝の敵を愛せ」から触発を受けた詩を書いています。 黒い光 河津聖恵 遥かから黒い光に包まれあなたは公園の片隅にやってくる。(異様な陰翳と…

きいてないよ

「集団的自衛権の行使を許し、武器輸出三原則を見直す」ための 「安保防衛懇」の報告書なるものが首相に出されたそうです。今日、新聞記事を読んで大変おどろきました。 この国はいつしかもう勝手に戦争の方向へ舵取りをされていたんですね。しかしもちろん…

80番目の作品

沖縄の高良勉さんから、「もう間に合わないから参考までに」とアンソロジーへの参加作品が送られてきました。(ブラジルにいらしていて締め切りを逃したそうです、残念!) 既発表のものとのことですが、この「ザン」のようなおおいなる海のイキモノを忘れて…

詩「遠足」高級部一年

遠足 高級部一年 道のり険しこの遠足それでも楽しいこの遠足 だが、いつも雨、雪、台風、嵐のなかそれでもはしゃぎまわる子供達 こんな遠足またいきたいって素敵だな快晴みてみたいいつになったら晴れるのか…

「大切な大切な私の学校」高級部三年

大切な大切な私の学校 高級部三年 大切な大切な私の学校一世二世の大きな手で築きあげてくれた大切な大切な私の学校 当然のように自分の国の勉強をし当然のように朝鮮の歌をうたい当然のようにウリ・マルで会話をし当然のように学校生活をおくる日々 なのに…

「我らにも平等を」考

「我らにも平等を」というのは当然の叫びです。 生徒たちは多くをのぞんでいるわけではありません。へだたりなく扱ってほしいと言っているだけです。 私は朝鮮学校を二度ほど見学しました。ひたむきに真面目に授業を受けている生徒たちの姿は学ぶことのとう…

石川逸子「朝鮮高校への無償化除外はあってならないこと」

朝鮮高校への無償化除外はあってならないこと 石川逸子 今からちょうど百年前、日本は長く文化の恵みを受けてきた隣国の朝鮮を強制併合し、悪逆の限りを尽くしました。土地を奪い、言葉を奪い、名前を奪い、あまたの尊い命を奪いました。百年という節目、そ…

詩「我らにも平等を」高級部三年

我らにも平等を 高級部三年 私たちは朝鮮学校に通う個性豊かな民族です 他人同士共に愛し合う実に真心のある心優しい民族です なのに何故政府は我らを陥れる差別をするのですか 昔から私たちは文化を分け合い助け合ってきたのではありませんか 私たちに何の…

共鳴

今日、知人と一年半ぶりに 京都の老舗のクラシック喫茶で会いました。詩や今回の無償化の話でもりあがりいつしか三時間が過ぎていました。 店内にはショパンのピアノが流れていました。音楽に詳しい知人は「昼なのになんと夜想曲ですよ」と教えてくれました…

金里博さん第四次一人無声デモ最終日

本日、金里博さんによる第四次一人無声デモが終了しました。 里博さんの今回のデモのきっかけとなったのは18日の私たちの記者会見です。当日、記者会見の時間に合わせてコースの一環としてわざわざ会場の京都市国際交流会館まで来てくれたのです。そして私…

詩「民族」高級部三年

民族 高級部三年 彼は中国人です彼女はイギリス人です私は朝鮮人です 彼は中国で中国の歴史を学び彼女はイギリスでイギリスの歴史を学び私は日本で朝鮮の歴史を学びます 彼は中国で自尊心を持って生き彼女はイギリスで誇り高く生き私は日本で一生懸命生きま…

「サムル」について

この詩には多くの民族楽器の名前が出てきます。サムル(四つの物という意味)は、ケンガリ・チン・チャンゴ・プッの四つの打楽器のことだそうです(この打楽器のみの演奏形態をサムルノリと言います)。チャンゴとケンガリ以外は、私も見たことないです。民…

詩「サムル」高級部三年

サムル 高級部三年 打ち鳴らせこの空へ大地を揺るがせ風をよべチンよプッは雲をはこべチャンゴよ雨を降らせケンガリよ雷を呼べ小さな教室から響き渡る豊穣の祈りそしてほとばしる汗届け彼らの心臓へ呼び覚ませ血の記憶を僕らはこのニッポンの空の下力いっぱ…

8月19日朝日新聞朝刊(京都版)記事

もう一紙、記事が出ました。今度は虎の三つ子と一緒です。なお始めに引用されているのは付録の京都朝鮮高級学校の作品集から。三年生の作品の一節です。 ********************** 朝鮮学校無償化除外 抗議訴える詩集 私たちにあるもの…

詩「私たちにあるもの」高級部三年

私たちにあるもの 高級部三年 私たちにあるものは悲しくつらい過去である私たちにないものは楽しく明るい過去である 私たちにあるものはないはずの差別である私たちにないものはあるはずの権利である 私たちにあるものは明るく眩しい未来である私たちにない…

8月19日京都新聞朝刊記事

共生社会へ詩人ら結束。朝鮮学校無償化求め詩人ら79人が作品集 朝鮮学校を高校無償化の対象とするよう求め、京都はじめ関西や東京の詩人ら79人が作品集「朝鮮学校無償化除外反対アンソロジー」を発刊、京都市内で18日発表した。詩人らが「言葉の力で、異…

本日『アンソロジー』についての記者会見が行われました

本日、京都市国際交流会館で、 今回の『朝鮮学校無償化除外反対アンソロジー』についての記者会見が行われました。詩人側は4名、記者側は4社とNHKテレビでした。 約一時間の会見は『アンソロジー』刊行までの経緯説明、詩人一人一人の感想と見解、質疑…

対人スキル

お盆は久しぶりテレビをゆっくりみました。日韓の若者の討論番組とか初めてみた龍馬伝とか。 一昨日朝はNHK日曜討論。そこで対人スキルという言葉を初めて知りました。 幼児虐待や高齢者の行方不明という昨今の問題の根本的な原因である無縁社会をどうす…

日本がみえない

岐阜に帰省していた折、敗戦直前に23歳で戦死した、詩人竹内浩三の特集を中日新聞で読みました。昨年も特集していた記憶があります。中部地方に属する三重出身の詩人だからということもあるでしょう。 日本よオレの国よオレにはお前がみえない一体オレは本…

岐阜から戻ってきました

13日から今日16日まで、岐阜に行っていました。 夫の実家で、にわかヨメをしてまいりました。 しかしとにかく暑かったです・・今年の日照りと大雨(あの悲惨な水害があった可児市です)のために畑のトマトもスイカも不作・・どんなに放っておいてもちゃ…

アンソロジー作品「せみ」

アンソロジーの付録の冊子から。朝鮮高級学校三年生が書いたものです。 せみ 夏のせみの鳴き声と共に君達の心の叫びが聞こえてくるせみは鳴き続け死んでしまうだけどせみは次々と鳴き続ける 君達の心の叫びは果たして届くだろうかせみは夏に鳴いて自然や私た…

朝鮮学校無償化除外はあってはならないこと

私たちがアンソロジーを出したのは、「うたびと」として言葉の暴力と他者憎悪がまかりとおるという現状を何とかしたいということがまずありました。 そして教育や人権という「理念」が政治的思惑や差別意識という「利害」にまみれることを危惧したからでもあ…

文科省に要請に行ってきました

本日『朝鮮学校無償化除外反対アンソロジー』を携え アンソロジー参加詩人7名で文科省へ要請に行ってきました。(前回同様、社民党の服部良一事務所の方々に、本当にお世話になりました。) 半時間という時間でしたが日本の詩人4名と在日の詩人3名はこの…

『朝鮮学校無償化除外反対アンソロジー』が完成しました!

[E:new]神泉薫さんのブログで紹介されました!http://kamiizumikaoru.cocolog-nifty.com/blog/2010/08/post-aea6.html [E:new]野樹かずみさんのブログで紹介されました!http://mobile.eonet.jp/t/typecast/286319/468613/39638545 [E:new]santaさんのブログ…

夜の生けるドーム

今、原爆ドームは何を想っているのでしょうか。 今日はきっと65年前以上に暑かったはずの広島。パン・ギムン国連事務総長や米英仏の代表が初参列したと新聞で読みました。この方はアメリカでの被爆者の命がけの証言に、心を動かされたのでしたね。人の思い…

2007.8.6に書いた詩です

賭け 河津聖恵そのとき人類は虫になってしまったそうだひとりの人の脳の中で(もはやそのように思うのは心ではなく脳であろう)ひとりの人の中で空がくずおれれば遙かなすこやかな人も 悲しい夢を見る そしてまた遥かな人も 六十二年後 歩道をふたたびひとは…

ふたたび「在日コリアンの戦後」から

この社会にはどうしても他者に憎しみを感じなければ生きていけない人々がたしかにいるようです。昨日、テレビや新聞で見聞きしたことに、少し気持が沈みました。 私たちはふたたび朝鮮学校の成り立ちを想像力をもって、思い返さなくてはならないでしょう。国…

第二回「東柱を読む会」のお知らせ

第二回「東柱を読む会」のお知らせです。第一部は、詩人でもあり牧師でもある木下裕也さんに、東柱の詩をめぐってお話して頂きます。東柱の詩が放つ光と、彼の信仰とのあいだにある深く秘められた関係。木下さんのお話は、そこに近づく手がかりを与えてくれ…

討議「朝鮮学校の高校無償化除外の撤回を」

本日、大阪・天満橋で行われた、 「朝鮮学校の高校無償化除外の撤回を」という討議に参加してきました。大きな集会の分科会でした。私もリレートークに割り込ませてもらいました。 朝鮮学校を支える様々な会の方、弁護士さん、朝鮮学校の関係者、保護者、そ…