2023-08-01から1ヶ月間の記事一覧
夏に入り、戦後詩を代表する「荒地派」の再読を始めた。戦死者への思いがこもる同派の隠喩はかつては難解だった。だが今は肌身に迫る。七十年ほど前の若き詩人たちの先鋭な危機感が、現在のぼんやりとした危機感を遥かに照らし出し、形を与えてくれるのだ。…
たかとう匡子『私の女性詩人ノートⅢ』(思潮社)は12人の「女性詩人」を取り上げた詩人論集。私も「〈女性詩〉とは異質な流れから」という副題で取り上げていただいている。第一詩集『姉の筆端』から『夏の花』までの流れが丹念に辿られています。私が、女性詩…
「ふらんす堂通信177号」は受賞特集。私も第41回現代詩人賞受賞詩人として、詩「ピエールとリュース」(連作「鏡」)とエッセイ「現代性という躓きの石」を寄せています。両者ともに、現代詩に固有の「全く別の現代性」を探る試みです。現代詩には近づく戦争の…