2010-04-01から1ヶ月間の記事一覧
新しい詩集『龍神』の見本が出来ました(世に出るのはまだ少し先です)。 前回の『新鹿』につづく、紀州・熊野のいわば「フィールドワーク」詩集です。 少し詩的に過ぎることをいえば、私自身の生の時間が、紀州・熊野の時空によって、触発され、蕩尽されて…
最近、また閣僚の暴言が報道され、いやな気持になっています。ある閉ざされた大会で暴君が放ったものでしたが、そこにいる観衆と共に他者を貶め観衆を共犯者に仕立てて憂さをはらそうという誹謗中傷です。そこにいた人々も一緒に拍手することで、逃れようも…
昨日につづき、「関西ワークショップ」から学んだことです。 当日は短い時間で駆け足ながら、様々なテーマや立場や次元で、事実や見解が述べられていきました。その中でまさにワークショップが開かれた4月24日というその日がはからずも「阪神教育闘争」の…
昨日の「関西ワークショップ」から学んだことのつづきです。 大学教員が今回の朝鮮学校除外の問題にかかわる必然性とはなにか。それは2003年に大学入学資格問題で大学教員も努力して関わりながらも積み残した朝鮮学校に関する課題が、この高校無償化にも…
現代詩文庫所収の黒田三郎さんのエッセイ「詩人とことば」は、 平易で明快ながら、詩を、その時代を生きる人間のただなかから生まれる「生きたことば」であると考える至極まっとうな主張に貫かれ気持ちがいいです。 「自分たちの生きたことばをもつというこ…
先日東京でお会いしリーフレットを手渡したSさんから 嬉しいメールをいただきました。その一節です。 「詩人が力を合わせていく、ということに希望も感じます。 かつて、黒田三郎さんが、 『詩人という名で免れるものはひとつもない』と言っていたことを思…
リーフレットに掲載した私の文章をアップします。 除外反対を切に訴えます 河津聖恵(詩人) 朝鮮高級学校を高校無償化の対象から外すことを、私は間違いだと痛感し、同じ憤りを持つ詩人たちと3月7日にアピールを出しました。直接的には3月4日に報道され…
昨日文部科学省を訪れ、リーフレット『朝鮮学校無償化除外反対・言葉を紡ぐ者は訴えます』の提 出と除外反対の要請を無事行ってきました。執筆者24名の代表として野樹かずみさんと私、他に今回の要請を支援してれた方々を加え計6名での要請となりました。…
リーフレットが出来ました。 「朝鮮学校無償化除外反対──言葉を紡ぐ者は訴えます」 詩人(歌人も含む)24名による文章を集めたものです。 サイズはA4版ヨコで、本文26頁です。 それぞれ考え方や作風をことにする者たちが、ただこの除外に反対するという…
このブログでも紹介したように、さる4月2日、私は近鉄八木駅前で行われた「高校授業料無償化の対象から朝鮮高級学校を除外することに反対する市民の集い」で発言させてもらいました。その時集会に参加してくれた60代の在日朝鮮人の女性の方から、次のよ…
昨日は作品「蒼い空の芯で」について書きました。 この作品の主体「声を持たないぼく」とは一体誰なのか。色々考えさせられます。 それは人間ではないのではないか、と感じています。人間以下としてしか認められていない存在。声を奪った力ある者に抑圧され…
あと一篇だけ(これ以上取り上げると、全作をここで公開してしまいかねませんから)。「蒼い空の芯で」。これは雑誌「環」で見たときにも、感銘を受けましたが、詩集であらためて読むとまたひとしお声なき者(詩人をも含む?)のこの世での宿命的なあり方を…
金時鐘『失くした季節』(藤原書店)は本当に素晴らしい詩集で 詩で唸らせられるという体験を久しぶりしました。 このブログでも詩と政治という話題が続いていましたが、こうしたすぐれた詩集をまえにするともやもやした気分はふっとんでくれました。社会や…
「どうだ、来てみないか? もちろん 標識ってなものはありゃしない。 たぐってくるのが 条件だ。」(金時鐘『猪飼野詩集』「見えない町」より) という魅惑的な詩行に挑発されたかのように丁章さんという最良のナビゲーターを得て昨日「猪飼野(いかいの)」…
詩人の大野新さんが、4日に亡くなりました。滋賀に住まわれていましたが、京都にもゆか りの深い方です。けさの京都新聞文化欄に京都のエッセイスト河野仁昭さんの追悼文が掲載されていました。写真は若かりし頃のりりしい大野さん。 また今朝、本棚にやや…
本日京都新聞夕刊に載った記事です。 京都地検に画期的な申し入れがなされました。「同志社大留学中の1943年に治安維持法で逮捕され獄死した韓国の詩人尹東柱(ユン・ドンジュ)の記念碑建立を目指す市民団体が8日、尹の逮捕時に押収された可能性が高い…
気になった発言がありました。 「鮎川さんはプライベートなものを言論の世界から分離したけれども、文学を駆け引きの条件にしなかった。それはとても重要なことで、政治的な発言をするときにはもうまったく留保なかった。私は文学者だから、なんて発言はしな…
昨日紀州・熊野で私が大変お世話になった倉田昌紀さんの手術が大阪の病院で行われ、無事成功しました。10時間に及ぶ手術をよく耐えられ、手術直後もご家族にしっかり応答されたとのことで、安心しました。一昨日お見舞いに伺った時は、手術の準備のために…
「現代詩手帖」4月号が鮎川信夫を特集しています。同誌五十年を記念した賞と連動した特集ですが、いずれにしても詩的ジャーナリズムに一石を投じたはずの特集であり、もしこの詩人が今必要であるとされるのであればそれがなぜなのか、この雑誌はそれを詩と…
NHKの特集番組「無縁社会」から触発を受けたことをもう少し書きます。 ではこのとどめようもない無縁社会化をどうしたらいいのか、ということですが、もうこの社会は、終身雇用や強い企業が当然だった高度成長期に戻ることはできません。高度成長期に作ら…
4月3日土曜日に「無縁社会」という特集番組をNHK総合で見ました。これまでニュース番組で放送された内容を中心として、昼と夜の二回にわたるかなり力のこもった特集でした。というよりも、つらく重すぎる内容でした。 無縁死者、つまり行旅死亡人(本人…
4月2日付「しんぶん赤旗」文化面にエッセイを書きました。長いですがぜひ読んで頂きたくアップします。これを書くきっかけになったのもやはりこのブログでした。ある方がブログを読んで推薦して下さったのです。なお掲載文では四章立てになっています。 魂…
ふと最近、詩とは胸で書くものではないか、と思ったりします。 感覚的実感的な言い方ですが、頭から始まる言葉は、未熟で不安定なまま、あてどない浮遊物となって、漂う気がする。あるいはともすれば頭の中で硬直化し、世界を上から目線で見下ろしてしまうか…
本日夕方、近鉄八木駅の北側にある広場で、「授業料無償化の対象から朝鮮高級学校を除外することに反 対する市民の集い」があり、私も先日アピールを出した詩人有志の代表として参加してきました。ある方がこのブログを見たことがきっかけとなって、この会が…
昨夜広島から帰ってきました。彼地では人と土地との様々な出会いがありました。またこのブログで少しずつ書こうと思います。 さて、昨日の毎日新聞夕刊に、、「『熊野』で再生される詩の言葉」と題する、文芸ジャーナリストの酒井佐忠さんが書いたエッセイが…