2010-10-01から1ヶ月間の記事一覧
『社会評論』163号「BOOK WATCH」に『朝鮮学校無償化除外反対アンソロジー』の書評 が掲載されました。 *********** 本詩集は、今年の七月に、詩人の河津聖恵さんが呼びかけ人となり、刊行された。四月の朝鮮学校の排除決定から三か月が経過し…
訃報です。3月に、広島朝鮮学校でお会いしてお話を伺った呂相豪(リョ・サンホ)さんがお亡くなりになりました。あの日、病を押して学校まで出来て下さり、学校の歴史や移転の経緯、入市被爆のことなど、初めて会った私たちに、本当にたくさんのことを語っ…
『歴史学研究』の月報に掲載された、日本近現代史学者である大門正克さんの論考です。同誌を編集するのは、日本を代表する歴史研究の学術団体である「歴史学研究会」。同会が2010年度大会総会で決議した「朝鮮学校を『高校無償化』措置から除外する日本…
「三蔵3」に掲載された四方田犬彦さんの「わが煉獄・抄」に感銘を受けました。その第一番目の作品「舟」を転載させて頂きます(以前も書いたように、私はキーボードで打ちながら、指先で詩にふれるのが好きです)。ランボーの「酩酊船」が140年の流浪の…
今日は本当に寒い日でしたね。 けれど今夜は熱い二時間をすごしました。 府立文化芸術会館で行われた京都朝鮮中高級学校の芸術発表会に行ってきました。生徒さんたちの渾身の演奏と舞踊に心を揺さぶられました。 民族楽器やチェロやマリンバの演奏(まさに天…
涙について考えています。 今日初めて出会ったその人はなぜふいに目の前で涙をこぼしたのか、と。 6月に出会ったひとも、今日出会った彼女も、うつくしい瞳をみひらいたまま(充血もせず)みえない潮の必然の高まりのようになぜふいに涙をこぼしたのだろう…
思いがけなく、お返事をいただきました。 お便りありがとうございました。 ご承知のように、高校無償化法は、1979年に日本も批准した国際人権A規約(高等教育無償化の理念)を遅まきながら具体化するもので、国籍を問わずすべての子どもの学ぶ権利を保…
今回も、みなで熊野を少し旅しました。田辺から中辺路を、熊野本宮大社の旧社地である大斎原(おおゆのはら)まで車で行きました。 熊野信仰の中心地です。かつてすべての道はここをめざしました。 私の大好きなトポスで、もう何度も来ました。でも昼に来た…
一昨日23日、紀州での朗読会を無事終えました。 会場は昨年と同じギャラリー寿苑でした。少人数でしたが、温かでとても良い会になったと思います。 私は「龍神」から7篇朗読しました。それぞれにBGMを付け、パワーポイントで関連画像も映写しました。 …
残念ながら、まだ朝鮮学校の高校無償化は実現していません。報道に一喜一憂することになく頑張らなくてはなりません。 今回の除外問題がなぜ大きな危険をはらんでいるのか。誰しもが分かっているはずです。 絶対的に問題なのはそこにまず政治的なまなざしが…
お知らせです! 昨日の国会で「朝鮮学校無償化除外反対アンソロジー」に収められた京都朝高生の安�a葉さんの詩が、社民党の又市征治議員によって朗読されました!! http://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/index.php 上記ページの左上カレンダー10月18日をク…
私はかなり若い頃から、 ゆえしらぬ緊張に悩まされています。 笑ったり楽しんだりしているときすらときに根深い緊張の氷のうえにいるような気がするのです。楽しくない、というのではないけれど氷が溶けるほどの楽しさをなかなか味わえない。 しかし、だから…
たかぎたかよし『夜の叙法 ふでさき─三つの断簡─』(編集工房ノア)。 おお、と思いました。怖ろしい緊張感にみちみちている詩集です。カバーの色「瓶覗(かめのぞき)」は私も大好きな色ですが色の名前が不思議です。この「瓶覗」はどんな精神の瓶を覗いて…
丁 海玉(チヨン・ヘオク)『こくごのきまり』(土曜美術社出版販売)が面白いです。 ひらがなの多用がこちらの胸に響かせる淋しさといとおしさ。これはなんだろう、とおもって読みすすめました。 この詩集で多用されるひらがなは単に柔らかな感じや口語的な印…
私は当時二三歳だった牟さんの外界に対する認識を聞き、日本と中国青年の精神の違いに感心する。彼は死と隣り合せの極限状況にありながら、外の状態に活き活きとした関心を向け、決して自閉化していない。『きけわだつみのこえ──日本戦没学生の手記』の青年…
今日は、人の惨い冷たさと深い温かさの双方にひきさかれるような日でした。 詳しいことはいいません。その人はこのブログを読んでいるかもしれませんが、しかし私が悲しむのは私を文字で誹謗したその人についてではなくそのひとの周囲の、これまで信頼してき…
日刊イオ(http://blog.goo.ne.jp/gekkan-io/、本ブログにもリンク済み)に、以前ここで紹介した「金銀花永夜」の劇団タルオルムの最新情報がアップされています。マダン劇「4.24の風」を東京朝鮮中高級学校で上演したとのこと。マダン劇とは、舞台を観…
一昨日、京都朝鮮中高級学校を、新聞取材に同行し訪問しました。 これで昨年末から四回目の訪問となります。 『朝鮮学校無償化除外反対アンソロジー』に参加してくれた安�a葉さん、鄭勇成さん、趙健秀さんとお話しすることができました。 それぞれ「私たちに…
岐阜朝鮮初中級学校の子どもたちを支援する会「ポラムの会」の会報誌「ポラム」に『朝鮮学校無償化除外反対アンソロジー』への感想が掲載されました。 ************************* 「−私たちはまず、自分が朝鮮学校について何も知ら…
「絶対に現代的でなければならない」とたしかランボーは言ったのだと思います。 もちろんその「現代性」とは自分は一個の他者である、とか見者でなければならない、といういわば「社会性」とひとしいはずです。 現代詩とはなにかをかんがえるときやはりそう…
たいへん直感的ないいかたですがランボーの詩は接吻(古い言葉ですね)の詩だと思います。 この詩人はつねにざわめく茂みに、激動する社会にふれようとほそく敏感な指をのばしている。風に柔らかな髪をなぜられ上気した少年のくちびるを他者によせ詩がこぼれ…
「日本人は分らない。片手に剣、片手にサクラ、仏様、神様を持っている。暴力とやさしさ、両面を持っている。どうして?」 この本に出てくる一人の被害者はこう問いかけます。 匿ってくれ、助けてくれた日本人もいた。 しかし一方で、他者に対し、残虐を極め…
*ランボーの「谷間に眠る男」への返歌(のつもり)です。 さらに接吻のように 河津聖恵 帽子をかぶらない死者はさいわいである? いまもクレソンの茂みで帽子もかぶらず 口をあけて 眠るあなた脇腹の穴がいまだ真っ赤にいとおしそうにこちらを見つめる 私は…
あるきっかけがあって、読み始めました。 昨年出た、精神医学者でもある著者による、渾身のフィールドワーク。そう言ってしまえば簡単ですがしかしすべての言葉が私の聞きたかった、知りたかった深さにあるもので、本当に感銘を受けました。 この本にみちみ…
野田さんの筆致は、論文調でも情緒的でもありません。 しかし読むこちらに食い入ってきます。その理由は恐らく野田さんが、書かれる事柄を自分自身の真芯で受け止めているから。そして、そこから、自分自身とこの社会の人格のあり方を問いかけ今なお苦しむ戦…
「ならヒューライツニュース」159号に エッセイ「他者へと向かいつづける─朝鮮学校無償化除外に反対して」が掲載されました。 このブログにも書きましたがこのニュースの発行元である奈良人権・部落解放研究所の方々が中心となって4月2日夕方に近鉄八木…
私は朗読のテキストに、アクセント、イントネーション、息継ぎなどのための音符記号のようなものを付けます。文のわきに点が打たれ、線が入れられているのではためには日本の伝統芸能の楽譜のようにも見えるかも。 よくわからないのですが私は自分の日本語が…
紀州での朗読会は、これで三度目です。昨年の9月に田辺市と熊野市、今年の2月に熊野市で行いました。朗読自体は共同の朗読会で何度かしたことがあります。 現代詩の朗読の方法は色々あると思います。すでに書かれてある言葉にいかに今このときの声をのせる…
きたる10月23日、下記のように紀州で詩集『龍神』の朗読会を行います。「白熱する彼方」(ランボー)ならぬ、海は銀光り、山も緑やわらぐ10月の紀州での朗読会です。ぜひおこし下さい。 詩と音楽とことばの時間 紀州・熊野を詩(うた)う、奏でる、語る�…
「谷間に眠る男」の朗読が以下のURLで聴けます!私はフランス語が分かりませんが、雰囲気たっぷりです。http://www.litteratureaudio.com/livre-audio-gratuit-mp3/rimbaud-arthur-le-dormeur-du-val-version-2.html それから原詩は以下で読めます。http:…