2011-04-01から1ヶ月間の記事一覧
絶望できるということは、人の能力の一つである。 悲しみをもっと深めていく。絶望をもう一段深めていく。魂の悲しみの質に合った言語を探してそれをひとつらなりの表現にしていく、それが絶望から這い上がる手がかりになる。絶望、悲嘆は深めつつ言語化して…
3.11を境に、少なくとも一週間から十日、テレビからコマーシャルが消えた。人に優しくしようみたいなキャッチフレーズが気が狂わんばかりに何度も何度も流されていく。今度は優しさを押し売りしてくる。あれは裏返せば3.11以前の予感のない表現世界…
「ハッキョへの坂」がネットで予約出来るようになりました(配本は5月7日頃からになるようです)。 今のところ、アマゾン、e-hon、セブンネットショッピング、ブックサービスなどで、「ハッキョへの坂」を検索していただくと、予約受付の画面が出ます。 な…
見たこともない荒ぶる光景を見ながら思いついたのは、アドルノが言った言葉。アウシュヴィッツ以降に詩を書くことは野蛮である、と。ユダヤ人たちは、信じがたいほどの殺戮という苦難に遭いながら、アドルノはこう語ったが、これはどういう意味なのだろうと…
さらに、辺見さんの言葉(必ずしも番組で語られた通りの再録ではありません)を、核として私なりに勝手に考えをめぐらせていきます。辺見さんの言葉は一人一人を、それぞれの深淵へと戻る勇気を与えてくれるものなので私も応答をつづけながら忘れていた背後…
甚大な被害を受けた石巻、そして三陸の沿岸都市には、気配、兆しというものが常に孕んでいたし、充ちていたに違いないと思うんです。 私たちに、この破滅に対する予感はなかったのでしょうか。詩人というカナリヤたちは言葉によって生きるホモ・ロクエンスた…
これから少しずつ辺見庸さんの言葉をじっくりきき、考えていきたいと思います。 おざなりにはまとめることはできないと思いました。 番組で詩人は、言葉を扱う者としての使命感から語り続けますが、そこにあるのは決して詩人だけの特権的なあるいは特異的な…
今朝放映された辺見庸さんの番組「瓦礫の中から言葉を」を見ました。 その一時間、私は、誰かから聞きたかった、誰かに語られたかった、そして私自身もどこか深みで語りたいと願っていた言葉を聞いたのだと思います。 辺見さんの言葉は、辺見さん固有のもの…
『環』45号(藤原書店)に 連載「詩獣たち」第2回「危機のように、祝福のように──アルチュール・ランボー」を書いています。 「俺はけだものだ」と詩に記し、詩人とは火を盗む者、動物に対してさえ責任がある見者だとしたランボーは、十九世紀後半、大きく…
日曜の辺見さんの番組を編集された方のブログがありました。以下転載します。番組を見られましたら、ぜひ皆さんの感想や反響をNHKに送って下さい! ──────────────────────────────────────────────────────── 「こころの時代 瓦礫の中から言葉を 〜作家…
新詩集『ハッキョへの坂』が完成しました。 まず装丁がとてもキュートです。表紙カバーの基調色は深まっていく春を思わせる温かなピンクですし上部のカラフルな抽象模様はハッキョの坂から見おろす優しい町並みにも思えます。 表紙はメガキャラメル、見返し…
日曜日の辺見庸さんの番組が今からとても楽しみです。 このブログで3月19日にアップした北日本新聞掲載、共同通信配信の「震災緊急特別寄稿」の文章はアクセス記録から行き着いたURLで発見しました。ネットとはありがたいもので、新聞に掲載されてすぐ…
NHK教育テレビに辺見庸さんが出演されます! 「こころの時代」辺見庸が語る大震災──瓦礫のなかから言葉をひろって── 日時:2011年4月24日(日曜)朝5時から6時まで ・再放送は4月30日(土曜)13時から14時。 ・デジタル教育2でも4月25…
広瀬隆さんの講演会のお知らせです。 講演:『福島同時多発事故から何がわかったのか そして、私達は何をすればいいのか』 日時: 4/23(土) 14時〜18時半 場所:同志社大学新町キャンパス「臨光館」301号 (広瀬隆さん以外の人も話をするので1…
本日、京都地裁にて在特会の第4回口頭弁論が行われました。私も傍聴に行ってきました。初めての裁判の傍聴です。 このブログでも何度か書きましたが私が朝鮮学校無償化除外反対の活動をするようになったのは、直接的には朝鮮学校見学の直後に除外問題が起こ…
影 河津聖恵 瓦礫をふみわける音がするふかくくろくこんもりとした影たちが瓦礫を這っているテレビの画面か それとも覚めきった夢だろうか劇しい夢の水が退いたあと光と影だけが残されたこの世の果てか 瓦礫の上で影は音を脱ごうとひそやかに身をよじる音は…
詩集『ハッキョへの坂』は朝鮮学校無償化除外反対の思いから生まれた詩集です。またそれは同時に「詩とは何か」に対する私なりの今の答えを指し示す一集であるといえます。 詩集というものはつねに「詩とは何か」に対するそれぞれの書き手の答えじゃないでし…
世界の沈黙に抗うために、この詩集は編まれた。 朝鮮学校無償化除外反対という、闇から希望へと向き直る花の力から生まれた作品群を中心に、他者へと燃え渡されていく20の詩篇 もうすぐ出来上がる私の第十詩集『ハッキョへの坂』(土曜美術社出版販売)の宣…
これも少し時が経ってしまいました。 写真は10日の日曜日に鴨川の支流である高野川の川原でお花見をした時のもの。日朝の若者が爛漫と集う中にじつはだまし絵のように私もどこかにおります。 メンバーがあまりにも若いので初めはややたじろぎましたが元気…
少し前の掲載になりますが、アップします。 このところずっと女性詩についてあらためて考え始めていました。女性が詩を発見し、選択し、書いてきた歴史には、男性のそれとはまったく違う、切実なものがあったと感じます。明治期から、詩という自由な形式から…
リルケの詩は本当に美しいです。久しぶり高安国世訳の「新詩集」をめくってみましたが、すべての言葉が、つよい輝きを放っています。詩人として生涯をまっとうしたリルケですが、時に孤独や絶望が襲ってきても詩と生のゆたかさに対する信頼は揺らぐことはあ…
ヤドリギ金子さんがj前の記事のコメントでリルケの「委託」について触れてくれました。そうか、リルケがいたんですね。ちょっと光がみえてきたようです。 ライナー・マリア・リルケは20世紀前半のドイツを代表する抒情詩人。その晩年に獲得した境地「世界…
私はこの悲劇のために詩を書けるでしょうか。 この震災と原発被害がもたらした果てしない悲劇を当事者ではない私がどう詩によってうったえることができるでしょうか。 現地に駆けつけることもなくテレビ画面の映像から受ける間接的な衝撃から涙を流したとし…
選挙が終わって二日経ちますが、色々思うことがまだ多くてぐずぐすしてます(おかげで花粉症も止まらない)。もうどうにもならないけれどこんなポピュリズムの勝利って何だか漫画みたいで、眼をずっとこすりつづけています。こんな選挙の結果が、被災地の苦…
「文學界」5月号に 詩「海の娘──Hに」が掲載されました。 三月朗読会の会場への途中で立ち寄った七里浜で熊野灘を見つめる在日朝鮮人である友人の姿から故郷が透けてくる異郷という発想が浮かびました。 あの時友人が獅子岩を見ながら母国の山にも兔の岩な…
魂の声 ──さとう大さんに 河津聖恵 けさ京都のまちはほんの少し静かだ投票日の昨日私をみつめていた桜の花は空に向き直り 吹き散らされていく 無数の花弁の行方に不思議な光に照らされ佇んでいるのはこの四年間のあなた交差点 路地 公園 畦道 高台 スーパー…
京都新聞朝刊に載っていた鷲田清一さんのエッセイ「『いぬ』ということ」に心打たれました。 「いぬ」とは「往ぬ」、「去ぬ」、つまり「行ってしまう」、「去る」、ひいては「死ぬ」という意味の古語の動詞です。 関西弁では「いなれる」という受け身でまだ…
今日は統一地方選挙の投票日投票にはかならず行かなくてはならない── 昨夜、寝付かれない中で私がたどりついたあたりまえの結論です。原発が最悪の事態を迎えたとしても、私たちは生きていくから。みえない放射能への恐怖にさいなまれながらよりよい明日を選…
政府は小出氏が予測する未曾有の事態の可能性に対し、何らかの対策を早く取ってほしい。そして正確な情報と判断を示してほしい。 → http://www.videonews.com/news-commentary/0001_3/001814.php
昨日京都は夕方から雨でした。 こぬか雨というのか、こまかな水滴が肌に妙にまとわりつくように感じました。街頭での訴えの間傘を差さないでいたので髪が濡れてしまい、あとで大丈夫だろうか、とひどく心配になりました。 車の中で「帰ったら髪を洗わなくち…