まず装丁がとてもキュートです。
表紙カバーの基調色は
深まっていく春を思わせる温かなピンクですし
上部のカラフルな抽象模様は
ハッキョの坂から見おろす優しい町並みにも思えます。
表紙はメガキャラメル、
見返しはプリムローズ、
共に靜かなピンク系です。
これらのピンクの微妙な配色は
表題作「ハッキョへの坂」の、桜舞う情景にぴったりです。
小さい本ですが、中身は20篇、104頁で
てのひらへもかなりしっかりとした落ち感があります。
内容は三部に分かれます。
朝鮮学校除外反対をテーマとする第一部、
そして人や自然との共生や死者への哀悼を含み込みつつ
この世界を他者と共に生き直すことへの祈りをこめた
第二部と第三部。
一色真理さんが考えて下さった帯文は素晴らしいです。
「風のような何かが背中を押した。
世界の沈黙に抗うために、この詩集は編まれた。
朝鮮学校無償化除外反対という、
闇から希望へと向き直る花の力から生まれた作品群を中心に、
他者へと燃え渡されていく20の詩篇」
この文章の中には
詩集にあるキーワードがちりばめられています。
この詩集を
どこか未知の世界へと押し出してくれるようです。
まさに風のように。
そう、風です。
これは風になりたいと願っている詩集なのだ、と今気づきました。
「多くの出会いが作りだしたとも言えるこの詩集が、これまで出会ってきた、そしてこれから出会う無数の人々へ向かい、みえない花々をひらかせていくことを願います。この頑なな社会の背中を、「すべてのひとびとが花ふぶきのように笑いあう未来」へと押しだす大きな風がいつか生まれるための、小さな風の一つとなることを祈ります。」(あとがき)
多くの出会いから生まれたこの一つの風が
たくさんのひとのてのひらに受け止められていきますように。
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