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河津聖恵のブログ 「詩空間」

この世界が輝きわたる詩のプリズムを探しつづける。

2011-01-01から1年間の記事一覧

来年もよろしくお願いいたします

今年も残すところあと2日。例年であれば、おのずと気分がおごそかに静まっていく頃ですが今年はやや落ち着きません。 3月11日で時間に大きな穴が開いてしまったまま(壊れた原発の映像を見るたびに「時間が破壊された」と感じます)そこからたえず不安な…

「マスコミ各社の「北朝鮮」報道に対する抗議文(賛同募集!)」

マスコミ各社の「北朝鮮」報道に対する抗議文(賛同募集!)です。ぜひ下記を御覧下さい。http://usm-aichi.blogspot.com/2011/12/blog-post_25.html 私も賛同人になりました。言葉を扱う詩人としてあたりまえだと思っています。 昨今のマスコミは、自浄能力…

紀州・熊野に行ってきました

23日から24日にかけて紀州・熊野に行って参りました。 短い時間でしたが、白浜と田辺をめぐりました。今回も彼地の詩人、倉田昌紀さんに案内してもらいました。 23日の夕方には田辺市立美術館で、「原勝四郎の日本画」という展覧会を見ました。原勝四…

朝鮮学校に対する大阪府私立外国人学校振興補助金の昨年度通りの交付を求める談話

本日(12月22日)15時、大阪朝鮮学園と大阪朝鮮学校校長会、大阪朝鮮学校保護者会の代表が、大阪府政記者クラブにて記者会見を行いました。 昨日大阪府議会で決議された、朝鮮学校への補助金の大幅減額予算の決定を受けての談話が発表されました。参加され…

許さない、そして許されない─大阪の朝鮮学校補助金カット

昨日の大阪府議会決議(府内の朝鮮初中級学校9校への補助金計約8300万円を1校分約800万円に減額)についての記事です。 まだ職員室に肖像画がのこっているから。それだけが理由です。そんないいかげんで、最初から意図的なやりくちが、数をたのみに…

『ヒクメット詩集』(ナーズム・ヒクメット、中本信幸編訳、新読書社)

ある人から思いがけないクリスマスプレゼントが届きました。 『ヒクメット詩集』(ナーズム・ヒクメット、中本信幸編訳、新読書社)。ちょっと驚きました。こういう詩がまさに今読みたかったのだと詩集を開いて思ったからです。 ヒクメット(1902〜19…

土本典昭『原発切抜帖』(二)

上映後の映画評論家の木下昌明さんの話も大変興味深かったです。 原発の事故のあと歴史的に埋もれていた記録映画が息を吹き返した。例えば亀井文夫の『世界は恐怖する─死の灰の正体』(1957)マリアン・デレオの『チェルノブイリ・ハート』(2003)…

土本典昭『原発切抜帖』(一)

一昨日、大阪・南森町にある「スペース小川町」において 「小川町シネクラブ・関西」第5回上映会がありました。すぐれたドキュメンタリーや劇映画を定期的に上映している少人数の映画鑑賞会。今回の上映映画は、土本典昭『原発切抜帖』です。上映後に、映画…

ガルシア・ロルカ「水に傷ついた子供のカシーダ」

辺見庸さんの『眼の海』を読んでからレクイエムが気になり始めました。 たとえばこんなレクイエム。これを初めて読んだ時、溺死した子供への挽歌かと思いました。けれどそれにしてはやや難解です。いずれにしてもここにあるシュルレアリズムの美しさは胸を直…

辺見庸『眼の海』(二)

レクイエム。挽歌。それは、おのずからうたわれるものであり、悼もうとする思いこそが詩を詩として輝かせ、また翳らせるのではないでしょうか。 詩の本質にはたしかに挽歌の衝動があると思います。悼む力によってこそこの世の秩序を突き抜ける、あるいは解体…

辺見庸『眼の海』(一)

辺見庸『眼の海』(毎日新聞社)を読了しました。 これまでこんなレクイエム詩集を読んだことがあったでしょうか。言葉の力と想像力で死にゆくあるいは死せる世界をこれほど大胆に奥深く魅惑的に身じろがせようとする言葉の繊細でつよい意志にみちた詩集を。…

12月12日付朝鮮新報・エッセイ「時代の闇を押し返す新しい光」」

時代の闇を押し返す新しい光 河津聖恵 去る11月27日、ソウル特別市マポ区にあるカトリック青年会館で、『ハッキョへの坂道』と『私の心の中の朝鮮学校』の合同出版記念会が、発行元のオルピョ社主催で開かれた。私も朗読者として参加した。前者の本は、…

ガルシア・ロルカ「半月」

皆既月食が終わりました。月の光と地球の影。とてもシンプルな宇宙の関係です。本当はそれがすべてじゃないか──ひととき影になりながら思いました。 半月 ガルシア・ロルカ(小海永二訳) 月が 水のあたりを行く何ておだやかな空だろう!若い蛙が 月を小さな…

最低、最悪の知事ですね

朝日朝刊。松井一郎大阪府知事は、「職員室を教室として扱う」など無理難題をふっかけ、朝鮮学校補助を一校分のみにするという。いくら何でも酷すぎます。堺市で教育条例が否決されたから、その腹いせでしょうか。いや、それ以上に橋下前知事の路線で過激に…

しかしやはりおかしいと思い起きました。

しかしやはりおかしい、と思います(そう思い寝床からむくりと起きました)。朝鮮学校にばかりなぜカメラが向けられなくてはならないのでしょうか。日本人は自分自身に、他者の眼という「カメラ」を真摯に向けたことが、これまでどれだけあるのでしょうか?

NHK「揺れる朝鮮学校」を見て

NHKの「揺れる朝鮮学校」、おおむね良かったです。民放にはなかなか出来ない特集だと思いました。阪神教育闘争やなぜ韓国ではなく北朝鮮と関係が生まれたのかなど、まだまだ朝鮮学校の基本的な歴史や内実が、日本社会には知られていないんだなと実感しま…

本日、7:30から「揺れる朝鮮学校」(仮)が放映されます!

本日、下記のような番組があるので見て下さい。どのような番組かは分からないですが、朝鮮学校の理解には一助となるはずです。日本人がマジョリティ意識で留まっているままでは、朝鮮学校の本当の姿は見えません。見よう、知ろう、考えようという柔らかな心…

朝鮮学校への『無償化』適用と大阪府補助金支給を求める12.6大阪緊急集会に参加しました(続)

昨日に続き、12月6日の緊急集会に採択された要請書をアップします。今度は、総理大臣と文科大臣に対するものです。 そもそも、今地方自治体で問題となっている補助金停止は、朝鮮学校に対する高校無償化適用からの除外を停止の根拠としています。 しかし…

朝鮮学校への『無償化』適用と大阪府補助金支給を求める12.6大阪緊急集会に参加しました

昨日、大阪の旭区民センターで、「朝鮮学校への『無償化』適用と大阪府補助金支給を求める12.6大阪緊急集会」がひらかれ、私も参加してきました。 この集会で私は、橋下独裁体制となった大阪の府政市政に対し、朝鮮学校の生徒や父母がいかに前途へのつ…

ガルシア・ロルカ「別れ」

ガルシア・ロルカのとても美しい詩を紹介します。 ご存知の方も多いかと思います。1921年から24年に書かれた作品をまとめた『歌集(カンシオーネス)』に収められた詩です。まるで1935年の詩人の虐殺を予感しているかのようです。(フランコ将軍の…

「『パルレシア……』または命がけの比喩という行為──震災以後、詩とは何か」(「現代詩手帖」12月号)

「現代詩手帖」12月号に 「『パルレシア……』または命がけの比喩という行為──震災以後、詩とは何か」を書きました。 「震災以後の詩の言葉」というテーマでの執筆依頼でしたが、詩は今、「震災以後の」と限定されることはむしろ不可能なのではないかと私は…

11月27日「詩をうたう夜」inソウル──『ハッキョへの坂道』+『私の心の中の朝鮮学校』合同出版記念会�A

午後7時となりいよいよ開演です。 「詩をうたう夜」は韓国の伝統楽器コムンゴの演奏で始まりました。 朝鮮の琴としてはカヤグムは知っていましたが、棒のようなもので弦をはじくコムンゴの音色は初めて聴きました。聴く者の身体の奥深くを叩き起こすような…

11月27日「詩をうたう夜」inソウル──『ハッキョへの坂道』+『私の心の中の朝鮮学校』合同出版記念会�@

一昨日27日の夜7時、韓国・ソウルのマポ区にあるカトリック青年会館5階のリコーラオホールで『朝鮮学校無償化除外反対アンソロジー』のダイジェスト・韓国版である『ハッキョへの坂道』とチェロの演奏を聴いて朝鮮学校の生徒達が描いた色鮮やかな絵とそれ…

明日ソウルへ出発します。本も見本が出来ました。

27日のソウルの朗読会までいよいよあと日を切りました。私も明日出発します。日本からは詩人と支援者合わせ10名程が参加します。韓国側の参加者はかなり多いと見込まれます。(ちなみに朝鮮日報が紹介してくれました↓ http://www.chosunonline.com/site/…

11月23日「朝鮮学校と民族教育の発展をめざす会・京滋」の結成大会に参加しました。

昨日、 京都朝鮮中高級学校にて「朝鮮学校と民族教育の発展をめざす会・京滋」の結成大会がありました。私も参加しました。 6年間続いてきた「朝鮮学校を支える会・京滋」からあらたな会が立ちあがったのです。趣意、運営、人事体制、運営方針を刷新しより…

昨日の記事の「椿」は「山茶花」でした

ある方から昨日の記事の「椿」は「山茶花」だとご指摘をいただきました。うーん、赤面です。しかし文脈ではどうしてもこれは「椿」でなければならないところ(笑)。訂正は無し(!)ということで、お許し下さい。 なお椿と山茶花には見分け方があるそうです…

一色真理『エス』

昨日、オウム真理教元幹部の遠藤被告の死刑が確定し、 教団を巡る一連の刑事裁判が16年余を経て全公判を終えたというニュースが伝わってきました。あと少しで13名全員の死刑が確定し、その後は死刑執行への検討に入るそうです。しかし早くも新聞上で「松…

11月21日付京都新聞朝刊・詩歌の本棚(新刊評)

■11月21日付京都新聞朝刊■ 詩歌の本棚(新刊評) 河津聖恵 現代詩は、その名の通り時代に吹き曝されるジャンルだ。短歌や俳句には、良くも悪しくも定型や伝統がもたらす、時代を超越した虚構空間がいまだ存在するはずだ。作者はそこを足がかりに現実の混…

李英哲「『ハッキョへの坂』を登りつづける」(「思想運動」881号)

「思想運動」881号(11月15日付)に、李英哲さん(朝鮮大学校外国語学部准教授)のエッセイ「『ハッキョへの坂』を登りつづける」が掲載されました。朝鮮学校の生徒達の生命力に触発されて作った私の詩集『ハッキョへの坂』に対し、かつてのハッキョ…

再度、韓国版『朝鮮学校無償化除外反対アンソロジー』ソウル朗読会のご案内です

ついにあと一週間となりました! ソウルでの韓国版『朝鮮学校無償化除外反対アンソロジー』出版記念朗読会のご案内です。コンヘウォさんのエッセイ集との合同企画です。→http://ameblo.jp/mongdangj/entry-11081924237.html(韓国の支援団体「モンダンヨンピ…