本日(12月22日)15時、大阪朝鮮学園と大阪朝鮮学校校長会、大阪朝鮮学校保護者会の代表が、大阪府政記者クラブにて記者会見を行いました。
昨日大阪府議会で決議された、朝鮮学校への補助金の大幅減額予算の決定を受けての談話が発表されました。参加された保護者のオモニは、涙ながらに訴えておられたということです。
本当に何という酷いことをと思います。みんな地域社会で必死に真剣に生きてきたのです。朝鮮学校が長い間かけて培ってきた地域での信頼関係はもちろん、スポーツや芸術や学業で生徒達が頑張って、この日本社会で認められてきた数々の輝かしい実績を、皆知っているではありませんか。しかし維新の議員たちにはそんなものは、取るに足らなかったのでしょうか。橋下前知事が突き付けた4条件に対して学校側が最大限に払った努力など、見てもいなかったのでしょうか。ただ橋下氏と世間に対する自分たちの「政治手腕」の見せ場に使ったのでしょうか。つまりは橋下の4条件提示も最初から、この決議に至るように計算されたものだったのでしょうか。騙された、と言ってしまえばそれまでですが、21世紀の今、他者をこのようにスケープゴートに仕立てるなどということはあってはならないことです。さらに、このような「手法」はさらに別の他者へと使われていくはずです。日本の未来のために、たゆまずひるまず、ふたたび広く訴えてまいりましょう!
「朝鮮学校に対する大阪府私立外国人学校振興補助金の昨年度通りの交付を求める談話」
昨日12月21日大阪府議会は、大阪朝鮮学園に対する補助金を、昨年度予算の約10分の1とすることを決議しました。この大幅な予算額引き下げ決議はあまりにも唐突で、一方的に決定がなされたもので、学園関係者ならびに保護者は大きな驚きと失望、憤りを禁じえません。
昨年3月12日橋下徹前知事は、府内の朝鮮学校を視察した際、補助金交付にあたって4項目の要件を提示し、その執行を留保しました。
これを受け学園側は、一年間にわたり理事会や保護者らとの議論を深めると同時に、担当部署である府民文化部・私学大学課の皆さんとも真摯に協議を重ね、今年3月8日検討結果を大阪府に報告しました。それを受け大阪府は、初級学校および中級学校は4要件を満たしているとの前知事の了承のもと、2010年度分の補助金を初・中級学校に対して交付し、今年度分については補正予算において措置するとされました。一方高級学校分は停止が決定してしまいました。
今般の議会決議は、4要件の厳格確認という名のもとで、一方的に要件の解釈を拡大したばかりでなく、規制を前提にするようなものとして大きな驚きを禁じえません。
朝鮮学校(朝鮮学園)をあたかも犯罪者のように扱い、つるしあげるかのような偏見に満ちた議論は許されるものではありません。このような中で交付される「外国人学校振興補助金」は、もはや「補助」とは呼べず、教育に対する政治的な干渉に他なりません。仮に、補助金支給が教育に対する政治干渉、圧力の一つとして利用されるなら、児童生徒の人権、学習権を侵すものとして、その不当性をあらゆる方法を持って、広く訴えて行かなければなりません。
同時に、私たちは今回の決議が、社会の一部に根強く残っている、朝鮮学校児童生徒への暴行暴言を始めとする朝鮮人バッシングを助長するものであることを、懸念せざるを得ません。
したがって私たちは、議会決議された修正予算を受け入れることは到底できません。また、長きに渡って補助金が交付されてきた経緯からも、当然引き続き支給されるものだとの互いの信頼関係を度外視し、保護者や生徒に多大な精神的、経済的損害を与えること、また朝鮮学校だけに過重な要件をつけることは明確な差別にあたり、地方自治体が遵守すべき信頼保護と平等原則に著しく違反する行為で、決して容認できるものではありません。
大阪朝鮮学園は、日本の義務教育機関にあたる初級学校6校、初・中級学校2校、中級学校1校、そして後期中等教育機関にあたる高級学校1校を府内に設置する学校法人です。
学園が設置する朝鮮学校は、日本の小学校、中学校、高等学校と同等の水準による普通教育を行い、在日コリアン社会のみならず、日本社会と国際社会において活躍しうる有能な人材を育成することを教育目的としており、学校教育法に基づく各種学校であり外国人学校です。
65年以上の歴史を持つ朝鮮学校には、現在朝鮮籍、韓国籍のみならず日本籍の在日3世から5世の子どもたち約1600人が在籍しています。大阪朝鮮高級学校ラグビー部は、大阪府代表として、全国高校ラグビー大会への3年連続6回目の出場も決めています。
今日まで朝鮮学校を維持・発展させる上で、大阪府の補助金は大きな支えとなり、励みとなってきました。
私たちは今後とも、外国人学校としての自主性を堅持するとともに、学校教育法上の法的要請に基づき、適正な学校運営を行っていく所存です。
私たちは、大阪府が朝鮮学校に対する私立外国人学校振興補助金を昨年度に準じ交付することを強く要求するとともに、朝鮮学校に通う子どもたちの学びの場に対するいわれのない疑念や偏見が一日も早く払拭されることを願ってやみません。
2011年12月22日