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詩空間

河津聖恵のブログ。この世界が輝きわたる詩のプリズムを探しつづける。

6月16日に北陸朝鮮初中級学校で詩の授業を行いました

昨日は、福井市にある北陸朝鮮初中級学校で、
中級部の生徒さんを対象に詩の授業を行いました。

北陸ハッキョは中級部7名、初級部4名の小さな小さな学校。Imgp0273_4
福井駅から車で20分ほどの
とてものどかな田園地帯にあります。
福井の町はじつは初めて降り立ちました。
駅前から走ると、お米の名産地らしく
小雨の降る町の景色に
やがて稲が青々と眩しい水田が拡がりだしました。

このハッキョで詩を教えることになったきっかけは
じつはツイッター
冬に全国的に大雪が降った時、
この学校を除雪車が素通りしていったというあるツイートが眼に止まりました。
誰かからリツイートされてきたものですが、本当に驚きました。
積もった雪のためにスクールバスが入れない・・
ツイートから悲鳴が聞こえてきて胸をつかれました。
回ってきたツイートに私だけでなく多くの人が同じ思いになったようですImgp0296 
役場にも電話が入ったのか
無事除雪車も来たそうです。

そのSOSのツイートを放ったのが
この北陸ハッキョの若き女教師であるそんじゅさんでした。
その後相互フォローもし、
ネット上で時々言葉を交わすようになりました。

以上のようにまったく偶然に知り合ったそんじゅさんですが、
私が2月に投稿した京都朝鮮学校で詩を教えた旨のツイートを読んで
中学生対象の詩の授業という素敵な企画を立ててくれました。
本当に行動力のある先生だなあと感心します。
今回は大阪の詩人の許玉汝さんにも
初級部の読み聞かせを受け持ってもらうために同行して頂きました。

学校に着くなり、
先生方がとても温かく迎えてくれたのが嬉しかったです。Imgp0275
まず校内を案内して頂きました。
生徒さんはまだ午前の授業中。
生徒数は11名ですから、本当に少人数です。
マンツーマンで理科の実験をしていたり
先生一人に生徒二人だったり。
こうした一見寂しい教育環境は、もちろん学校の存続の危機を意味しています。
しかし一方で理想の教育が行える数でもあるわけです。
また少人数であるぶん子供たちはのびのびとしつつ
しかも不思議ほど礼儀正しく、かつ人怖じしません。
そして友人や教師との信頼関係が
普通の学校ではありえない強さと深さであることが一目で分かります。Imgp0276
補助金の殆どない校舎の老朽化は心配ですが、
先生方が工夫して飾った色鮮やかな掲示物からは
生徒達への聞こえない愛情のエールが校内の空気を
何とはなしにぎやかにしていました。

心づくしのお弁当と歓談で気分をほぐしてから
さあ授業。
私が担当したのは男子三名と女子四名の中級部七名。
まず比喩の話をし、実作をして貰いました。
テーマは「誰かに宛てた詩」。
これは京都朝高で出した課題と一緒です。

最初なかなか筆が進まないようだったので少し心配しましたが、Imgp0310
ある時点から堰を切ったようにみな書き出しました。
それぞれの思いの中から詩がこの世に生まれる瞬間・・
それに立ち会うのはちょっと感動的です。
ほとんどの生徒が授業時間内に完成させました。
授業の終わりは朗読もしてもらいました。
ちゃんと新鮮な比喩を使った珠玉の作品になっていたのには驚きました。
詩の宛先の「誰か」も他人、自分、事物などさまざま。
思いがけずいい作品が生まれたので
そんじゅさんと小躍りしました。
いずれこれもパソコンに打ち込んで小さな冊子にでもしようということになりました。

許さんのクラスもとても楽しいものだったようです。Imgp0309

ゆたかな自然環境と情愛に育まれた感受性と行き届いた教育。
そして何よりも人数が少ないことで
自分自身に与えられた役割と責任をちゃんと自覚している子供たちの姿は
とてもりっぱで、胸をつかれました。
けなげな子供を見ると、大人たちは本当にじーんと感動させらるものです・・
もちろん出来るかぎりもっといい教育環境を与えてあげなくてはならない。
行政や一般の日本人の支援ももっと必要です。
この北陸のハッキョにも多くの日本人が見学に来て
色々感じ取ってもらえればいいなあと思います。

じつは最近、世の中に悲観的になり、落ち込みがちだったのですがImgp0318_1
ひたむきな子供や先生方の姿に学ばせられ、勇気づけられた一日でした。
また行きますね!今度はみんなともっと遊びたいです。