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河津聖恵のブログ 「詩空間」

この世界が輝きわたる詩のプリズムを探しつづける。

#連歌デモ 4201〜4264

4201これでもかこれでもかと台風襲うこの島に愚行の嵐も重なり止まぬ

4202雨止みて濡れた舗道を滑り行く車のランプ赤く流れて* 口入る物吟味する人無頓着な人5年後に大きな隔たり目に見え現る*

4203(4195「雨にはしゃいだ子供の頃」へ返歌)長靴を履くのが楽し 水たまりにはまるのが楽し 靴中がグジュるのが楽し ひと足ごとのリズムが楽し 少年はいつの間にやら 金金金の耄碌爺に 少年の日の喜びは 記憶の彼方にもはや消え去り

4204(4190「滞在期間」へ返歌)鶴旅を終え湖に降り日本には長居無用と鳴き合いて*秋鳴く虫も息潜め迫り来る不穏の兆しに聞き耳立てり

4205福島の病の人のこれからを想えば水俣想い出し* 一つくらいは良い事をする政府だと思わせよ国民を想いて* 人の道他人を愛し奉仕する政治家は一体何を学んできたのか*.

4206秋風の肌寒きかな心地良し数多の火照りを鎮める如くに

4207(4206「秋風の」へ返歌)風に向かい世を変える為立ち上がる人々は行く嵐の中も* 北風と太陽の民話そのままに心開く時は陽光浴びて*

4208白血球我ら日本の細胞守りて草の根の端の毛細血管* 河原にはすすきも見かけぬ自然破壊の度合は進み* コンクリの副都心の陰放射能混じるビル風葉を揺らし*.

4209秋来ぬる美しい川に鮭還る いのちの鎖繋がんとして

4210ひとびとが笑って暮らす毎日が 確かにあった福島は今

4211人身事故いじめ自殺の報道をまたかと舌打ちするひとがいる

4212独りでは生きていけない人間は今日もエールを君に幸あれ

4213(4209「秋来ぬる」へ返歌) 健気にも命を懸けて川昇る鮭汚れし阿武隈知る術も無く

4214稲穂揺れ黄金の実りのこの秋の田には悲しみ広がりて

4215(4213「健気にも」へ返歌) 鮭にさえふるさと慕う気持ちあり ふるさと返せと鱗が光る
.
4216(4215「鮭にさえ」へ返歌)厳かな最期の旅を終えし魚屍は清き水に弔ひ
*故郷を想う気持ちの強き故自らの墓を求めて遠き海より*.

4217雄々しく厳しく逞しく意識下に植えつけられたる男性性の国造り* 緩く優しく柔らかに子等を労わる母性に欠けし国の策* 作りてはゴミ山に捨て繰り返し現代文明産業の無駄* 今の世は物に不自由は無きものを何を忙し物を作るか* ハードウェア外見ばかりが重視され心の隙間に北風が吹き

4218(長歌)ことがらが 前へ前へと 投げられて 消えていくもの 歴史とは 勝者のものと 消してゆく 消そうとする ならば抱き 殺されないで 次の世へ継ぐ (反歌)常は無い だから黙るか 流れるか 残る言葉の 理由(わけ)を教えて 

4219悪の意志世界の人口減らす為手練手管で民を欺き

4220(4216「厳かな」へ返歌) 古の輪廻の環に入り新しき世代支えむ我ら同胞

4221連歌衆脹らめ巻き込め街々を狼煙を上げてこの島に

4222(4221「連歌衆脹らめ巻き込め」へ返歌)この島にオスプレイなどいりまへん持ってお帰り アメリカに

4223(4221「連歌衆脹らめ巻き込め」へ返歌)合図して愛の佇み微笑みのとわの響きに言の葉舞って 愛しさの豊かな未来地球星美し夢の今現して

4224(4222「この島に」へ返歌)ほんまやで要らんヘリなどラジコン飛ばして楽しんどいてや

4225(4223「合図して」へ返歌)和み合い皆響き合ふ理想郷今は未来に通ずと信じて

4226グロテスクなる湯沸かし器要るのは巨大企業だけ薬缶で沸かせ御湯ならば* ささやかな喜び我等忘るまじ唯陽光を楽しむ事唯葉と共に息する事*.

4227奇妙なことに いまだ本当のことは語られず 絆を強要されんや この国かの国の属国か それとも誰ぞの国か 子らのいのちより面子に拘る国になりしとは
4228心痛めど仕方無し被災者に鞭打つ様に其の地の産物拒む事* 今日も買う籠に取り込む野菜果実北を避けつつ西へ南へ* サーカス団のピエロの様に毎日の食べ物選ぶが綱渡り*.

4229常(とこ)しえの 森の精霊(カミガミ)も 苦悶する 万物の精気(いき)殺ぐ 核の毒満ちて (※会津地方の緑豊かな山々を思って) 

4230核の熱利用し 自然破壊する発電は 本当に理に叶った発電か 違う戦のため核爆弾作るためにある発電に相違ありなんや

4231(推進派の言葉「原発ゼロなら草を食み虫を食え!の暴言に抗ちて) 草を食み菜食健美病無しされどイナゴの群れは田には帰らぬ* 幻想の食物連鎖断ち切りて農に戻れよこの国は* 牛や豚卵に頼らず生きて行けブロイラーにも照明要らず* 発展が飽和状態あるならば時計は逆に回るがコトワリ.

4232目に眩し秋の陽光瞳に入りて太陽の其の強き力を思いたり* 原発は人を冷やせど暖めず失敗の炉に氷の炎燃え尽きて*.

4233安かろう高かろうで命を落とすな注意せよ無料の秋刀魚に釣られるな* 毒を食え皆で喰らわば怖さ無しその発想が瓦礫撒き散らす* サンマ釣る物釣られる物ではなかりけり*.

4234いづれの日人は多少の放射能耐えられるようになるだろう9世10世の代々後に

4235『逃げよ、今』 の声かけられず猫影[びょうえい]とともに庭から 去りし少女に(意:庭で他所の猫がよく遊んでおり、近所の女の子が「猫を見に庭に入ってもいいですか」と来ていた。3.11後、猫は姿を消した。その少女に道で遭った。「避難しろ!」と言えなかった[実話])

4236笑顔あでやかなこの国の乙女らにつきし核の傷跡 強く逞しくあれ生きるには容易き道であらずとも側に誰かがいるゆえ

4237(4234「いづれの日」へ返歌) 否 その前に人は核と共存できぬや 七代先まで人の体を蝕み弄び笑うは核の本性なり

4238(4236「笑顔あでやかな」へ返歌)晩秋を告げんと小菊咲く せわしく飛び交う虫たちよ毒の味知ってのことか

4239(4238「晩秋を」へ返歌) 虫たちが毒の味知ってか知らずか解らねど 福島の毒 確実に自然を蝕みて今に至らんや

4240 4号機根腐れ者の錆びし言[ごん] にて立たざりし傾ぐを推すか

4241(4234「いづれの日に」へ返歌) 進化適応待つ前に我等には命は在らず人の身の丈高くなりしか

4242撫でる風薄らと毒帯び喜べぬヒヤリと頬に鳥肌が立ち

424330トン5000発分…死の月に照らさるる銀沙の荒地にわれら生きけり (注:現在、日本は単純計算で核兵器約5千発分といわれる約30トンのプルトニウムを持つ。

4244原子力鉄腕アトムの名を借りて平和利用のデマを謳いて

4245原子力失敗だったと改悟すは小出教授が唯一人他の科学者何思う* 実験に失敗重ねて死者出せば廃止にするのが科学の筋なり* 根本の考え革む議論せよ結論出るまで原子炉凍結* 違憲認めよ非核の憲法忘れしかまだ条文は生きている也* 原爆記念日福島の核の廃墟に非核宣言読めよ再び

4246(4228「心痛めど」へ返歌)ベラルーシの除去法試しながら 少しでも被曝のリスク減らさんや OKレシピ見ながら献立考えるもまた楽しと思いながら

4247ベクレルを気にすりゃ餓死で無視すりゃ病死霞食うても放射線とは

4248(4150「我もまた」へ返歌)悪夢なら早く目覚めて悔悟せよ何時までも悪夢の泥沼足掻き続けず* 太陽に負けぬ力を望みたる余りの野心科学の傲慢*

4249(4246「ベラルーシの」へ返歌)酢で洗い毒を取るなら我もまた酢の風呂浸かり毒流したし

4250冬の島に咲く桜の花 この国の根深き病さえ癒しておくれ 昔読みし漫画にある医師の言葉この国の今に重なり心が沈まんや (注:「この国は病んでるんだ、だか人間を恨むなよ」(「ワンピース」より ) )

4251原発よりマグロやホタテ大事だよ大間の人よよく考えて

4252どんぶらこ脱原発の海原へ笑って漕ぎ出す連歌デモ衆(注:「反原発」「脱原発」のたたかいは、五年や十年じゃ終わらない、私なんか死んだってずっと続くものだと改めておもう今日この頃。)

4253この歌の連なる歌は福島へと繋ぎゆく歌その歌人

4254二基の原爆投下されし国そして福島今だ目覚めぬか日本人*
あやまちをみたびくりかえさぬことをいのりて雨の安芸の野を思(も)ふ 

4255福島に住む人たちの眼を見たか仮面の笑顔の奥にある眼を

4256(4255「福島に」へ返歌)悲しきかなその笑顔に何があるか都会の人は知らんや怒り憎しみ隠した笑顔だと

4257池の面に映れる月を見て想うこの空の下帰らざる人

4258日の本は核の国へと成り果てぬ子々孫々は如何に生くべき

4259時ならぬ秋雨声を上げ走る子らの背中にセシウム使者

4260その思ひ思ひのままに留めずに音を持たせよ声を上せよ

4261あと幾つ歌詠めば止むあと幾つ連ねれば止む核の支配は

4262幾たびも倒れ伏しても幾たびも歩みいださむ核の無き世へ

4263五七五の歌の波動は亡き人と生ける我らを繋ぐ架け橋

4264東のみやこに突然起こる建設ラッシュ都会(まち)から逃がさぬ楔の槌音