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河津聖恵のブログ 「詩空間」

この世界が輝きわたる詩のプリズムを探しつづける。

「文芸同」の会合に出席しました

昨夜、大阪市東成区役所で行われたImage838
在日の詩人たちの文学集団「文芸同」の会合に出席しました。
出席メンバー九名全員が
朝鮮学校無償化除外反対反対アンソロジー』に参加した詩人たちです。

広島から駆けつけてくれた野樹かずみさんと一緒に参加しました。

それぞれが順番に
アンソロジーに収録した自分の作品を朗読してから
今回参加したことについて感想を述べていきました。

これまでハングルでのみ書き続けてきたかれらは
今回除外反対の意志表明として
みな日本語で書きましたが
そこにはもちろん複雑な気持もあったようです。

しかし今回参加するなかで
これまで幾度となく続いてきたこうした差別に対し
どこか諦めてしまっていた自分自身をあらためて認識させられたそうです。
そして、諦めていけない、
詩にはうったえる力があるのだ、
という忘れていた新鮮な思いを抱くことができたそうです。

もちろんそれは私をはじめとする
日本の詩人もまったく同感でした。

(ただ日本人側は、このアンソロジー後、どう在日社会と交流するかが問われるでしょう)

つまり昨日のみなさんが真摯に話してくれたことからはっきりしたことは以下のことです。

今回朝鮮と日本の詩人たちとをつきうごかしたのは
日本語と朝鮮語のちがいさえものりこえる
「うったえたい」という思いだった、ということ。
そしてそれが詩の本来の力であると、双方が共に感じとることができたということ。

そう、今回私たちは国籍の区別を越えて
人間として、人間を信じて、詩を書いたのだと思います。

双方の詩人たちにとって、本当に大きな体験でした。

それにしても朝鮮の詩人たちの
朗読の素晴らしかったこと!
こんなに優しく力強い、真心からの朗読は
初めて聴きました。
私はこういう「人間的な日本語」をずっと聴きたかったのだ、
と思います。