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河津聖恵のブログ 「詩空間」

この世界が輝きわたる詩のプリズムを探しつづける。

2012-05-01から1ヶ月間の記事一覧

徐京植『在日朝鮮人ってどんなひと?』(二)

徐さんは1951年生まれ。お父さんが幼い頃お祖父さんに連れられて日本にやってきたので、「3世に近い在日朝鮮人2世」だそうです。京都の日本の小学校に通名(日本式の名)で通っていたそうです。朝鮮人であることを隠していましたがあるとき、「チョー…

徐京植『在日朝鮮人ってどんなひと?』(一)

徐京植『在日朝鮮人ってどんなひと?』(平凡社)は 「『在日朝鮮人とは何か』というテーマを中学生にも理解できるように」書かれた本です。中学生がこれをどれ位理解できるかは分かりませんが、私には大変分かりやすかったです。そしてこれから在日朝鮮人に…

一昨日田植えを手伝いました

一昨日、岐阜の夫の実家の田植えの手伝いをしました。 青空が拡がり絶好の田植え日和、と思いきや、 田植えは曇天の方が暑くならなくていいとすぐに気づきました。水田は木陰がないので、晴天だと熱射病になりそうです。やがて少しずつ雲が出てきたので、助…

「詩を書くという行為を受け継ぐ──追悼・吉本隆明」(「現代詩手帖」5月号)

「現代詩手帖」5月号に吉本隆明さんへの追悼文を書きました。 詩を書くという行為を受け継ぐ──追悼・吉本隆明 河津聖恵 去る三月十六日吉本隆明氏が亡くなった。3.11からほぼ一年後である。氏はこの一年間、病を押して思想家としての発信を続けていた。…

詩「三月のピノキオ」(「PO」145号)

「PO」145号に作品を書きました。 三月のピノキオ 河津聖恵 ��空の鐘�≠ェ響く 茂みの中で人形たちは身をふるわせる ユキヤナギの沈黙の鈴は沼の水面にさやぎ 伐りたての木株は白く不安なお喋りを止められない 沼に沈みかけた小屋永遠に傾いている世界あ…

金環日食

金環日食を見ることが出来ました。 朝、たまたま外に出たら、近所の人が何人か集まって黒いグラスを掲げて東の空を見上げていました。そうか日食の日だったんだ、と気づきました。昨日まで全く興味がなかったのですが、「みえるみえる」と他人が楽しそうに眺…

辺見庸『死と滅亡のパンセ』(四・終)

3.11は確かに詩を書く者としての私自身にとっても大きな衝撃でした。これまでの自分の詩を支えてきた、言語の価値の次元とその裏打ちである感受性を、いわば下方深くから破壊されたと感じています。そしていまだその破壊の深さと度合いが自分では分から…

『死と滅亡のパンセ』(三)

辺見さんと詩人のキリヤット・F・コーエンさんの対談、「破滅の渚のナマコたち─亡命と転向と詩」は、大変面白かった。現在の破滅をめぐる真摯な対話なのですが、二人のやりとりはまるで知的な「掛け合い」で時々噴きだしながら読んでいきました。どちらかと…

辺見庸『死と滅亡のパンセ』(二)

『死と滅亡についてのパンセ』にある思考と言葉は、私が内臓辺りで抱えあぐねていたもやもやとしたものを触発しそこに形を与えてくれます。比喩あるいは詩的イメージに映し出すようにしながら。 「泰淳のエッセイ『滅亡について』は言う。『すべての倫理、す…

辺見庸『死と滅亡のパンセ』(一)

辺見庸さんの『死と滅亡のパンセ』(毎日新聞社)を読了しました。 一昨日のジジェクの言葉を借りればこの一書は、「この世界にはうんざりしている」という無自覚に抱き続けていた感情の実体を私の底からあぶり出し、知や感性のいわば「根源的なオルタナティ…

「人は幻想なしに生きていけない」という心配には及ばない

昨日ジジェクを話題にしましたが、 このスロヴェニア出身の哲学者は、ポスト構造主義者とか、マルクス主義者とか、精神分析家とも言われますが、かつて数冊の著書に、難解ながらも魅惑された私には「ラカン派の精神分析による政治や文化現象の解読者」という…

赤インクと青インク

「ウォール街を占拠せよ」での「スラヴォイ・ジジェク - 民主主義と資本主義の結婚は終わった] http://beneverba.exblog.jp/15980772/に触発されました。(なお動画はこちら→ http://youtu.be/zFk0ZXGO3aYです) 「私たちには、私たちが望むあらゆる自由があ…

「PACE」6号/「私の中から今その声を聴く──アルフォンソ・リンギス『汝の敵を愛せ』

「PACE」6号が出ました。 特集は「洛北出版という天使」。 「PACE」は「2004年4月6日、立命館大学の学部生と院生十数人で、有事法制と日本政府のアメリカによるイラク占領への加担に反対するために立ち上げたネットワーク集団」(まえがき)です。今…

5月4日/劇団アランサムセ「歌姫クロニクル」

5月4日、大阪市立青少年センターで劇団アランサムセの「歌姫クロニクル」を観ました。 李英哲原作・脚本、金正浩演出。李さんといえば、以前月刊「イオ」に掲載されていた小説「水曜日たち」を読み、詩性と歴史性をきわどく交錯させた実験的なその作風に一…

「環」49号/「連載・詩獣たち」第6回「詩という空虚を抱え込んで─ガルシア・ロルカ」

「環」49号に 「連載・詩獣たち」第6回「詩という空虚を抱え込んで─ガルシア・ロルカ」を書いています。 ロルカといえば、「ファシストに虐殺された詩人」として知られています。しかし決して反ファシズムの思想ゆえに殺されたのではありません。確かに彼…

5月2日朝日新聞朝刊 憲法学者・樋口陽一氏インタビュー「国民が権力を縛る 明治からつながる 日本の『持ち物』」

明日は憲法記念日です。このところ、復興の迅速化を理由に改憲を推し進めようとする動きが目に余ります。自民党が出した改憲法案などは国家が国民(「国民」は憲法の英語原文では「people」、つまり「人々」で、日本に居住する全住民ということです)を…