#title a:before { content: url("http://www.hatena.ne.jp/users/{shikukan}/profile.gif"); }

河津聖恵のブログ 「詩空間」

この世界が輝きわたる詩のプリズムを探しつづける。

金里博さん無声一人デモ第�U回

事後報告になりますが、
本日金里博さんの第�U回無声一人デモが無事終わりました。Image665
今回は、26日、27日、28日、29日の計四日間。

私は第一日目と最終日の今日、伴走しました。

26日は雨でした。伴走三名。
市役所前から、河原町や、東山、烏丸、府庁前、丸太町、河原町、御池を経て、市役所にて解散。

久しぶりのデモ再開で、ちょっと緊張しました。
町行く人々は、前回と同じ人々であるわけもないのに、
「前回よりもちょっと反応が鈍いな」
などと思ってしまったのはなぜでしょうか。

街頭において人はたしかに
個々人ではないのです。
マスとしての人々、
つまり群衆という別のイキモノになることを
このようなデモの伴走者となってみるとよく実感できます。

振り返ってみる人もいる。
無視する人もいる。
しかしその内面は分からない。
いいえ内面を持って見ているともかぎらない。
一人一人の思いもないとはいえませんが、
全体としては疑いもなく集合体、マスなのです。Image681

無声一人デモの沈黙の力は
このマスを動かすことはできるだろうか?
いいえ、そのことを祈りのように里博さんは信じているはずです。
黙々と歩く後ろ姿を追いながら、
これはもしかしたら祈りなのかもしれない、と思いました。
その後ろ姿を追う私自身のまなざしも。

今日29日は、雨もようかと思いきや、途中から日差しがきつくなって、蒸し暑さに疲労がつのりました。途中で日陰で休んだり、水分補給しながら、里博さんと伴走者四名は頑張りました。

北大路駅から、金閣寺竜安寺、円町、四條大宮、烏丸、御池、それから市役所にて解散。昼食や休憩時間も含めて、計五時間以上かかりました。
伴走するだけでもかなりしんどかったです。

5キロのプラカードを掲げ黙々と歩く里博氏が
後ろから見ていて
心配でなりませんでした。
四日連続の疲労はピークなはずです。
しかも炎天下ですから。
 
このようにこの人を歩かせているものは何か?
つらい身体を内側から鞭打ちつづけるものは何か?

そんな問いかけが私の中に響き続けました。

「京都のハッキョへの坂は、生徒達みんなで力を合わせて舗装したんですよ、
だからでこぼこだったでしょう。
ハッキョのすべては、みんなの手作りなんです。
だから、絶対なくす訳にはいかないんですよ。」
初日に呟いた里博さんの言葉を思い出しました。

また、同時に、別の朝鮮学校出身の方から聞いた
「私の故郷は、済州島でもどこでもない。ハッキョなんです。」
という言葉も。

きっとこの無声一人デモは
朝鮮学校出身者たちの魂のよりどころである
ハッキョという故郷へ向かっているにちがいないのだ、とハッと気づきました。
ためらいのないたしかな足取りは
失われてならない故郷の救難へと向かっていたのでした。