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河津聖恵のブログ 「詩空間」

この世界が輝きわたる詩のプリズムを探しつづける。

フットチーネさんの抗議文

最近リンクさせてもらったフットチーネさんの抗議文。ご本人の許可も得たので、ご紹介します。────────────────────────────────────────────────────────

埼玉県知事 上田清司

突然のご意見、失礼いたします。
私は埼玉県民ではありませんが、このたびなされた埼玉県政の決定に意見したいことがあり、ご連絡差し上げました。
今回ご意見したいことは、今回埼玉県の朝鮮学校への補助金支給を保留(事実上の中止)を決定したことであります。
これは明確な民族差別ではないでしょうか。
至急、県政の決定を変更し、例年通りの補助金支給を継続されることを強く求めます。

朝鮮民主主義人民共和国(以下、北朝鮮)の政府による、日本人拉致事件は由々しき人権侵害であり、国家犯罪であります。
しかしこの事件に、どれほど日本の朝鮮学校が関わったというのでしょうか。
ほぼ関与はなされていないのではないでしょうか。
また朝鮮総連のという事実上の在日北朝鮮大使館が運営に関わっているとはいえ、朝鮮学校は在日朝鮮人の方々の有志による運営であります。
つまり事実上のボランティア運営ではないでしょうか。
このような学校運営が、どのように拉致事件という犯罪に関与できるのでしょうか。
組織的、直接的、間接的にもほぼ皆無ではないでしょうか。

このような誤った民族差別認識、事実誤認によって在日朝鮮人の子どもたち学生たちの学ぶ権利が侵害されることは、明確な人権違反です。上田知事はすぐさまこの決定を再考のもと、変更されるべきです。

いかなる国家に所属するか、民族的出自にあるかによって差別されることはあってはなりません。
どのような社会にあってもです。これは社会的な犯罪といえるでしょう。
このような民族差別、社会的犯罪が許されるのであれば、今後日本人の子どもたち自身が間違った歴史観、文化的価値感を持つこととなるでしょう。
これは日本国が正義を追求しないこととなります。犯罪であるとともに文化的損失であります。

また日本はかつて朝鮮半島を植民地支配し、半島および韓国・朝鮮民族の方々に多大な苦難を背負わせました。
このなかで言われなき差別が行われてきました。
そしてこの差別および偏見は戦後も日本社会に浸透しており、容易に拭い去ることができない課題でした。
このなかで、在日朝鮮人の方々は「せめて自分たちの子どもたちには、自らの出自を恥じることのない教育を」という思いで朝鮮人学校が設立されたのではないでしょうか。
この朝鮮学校に対する行政的圧迫は、日本が歩んできた植民地主義という負の歴史を忘却することと等しいことです。

全ての人間は平等に扱われなければならない。全ての人間は、教育と文化を享受すべきだという普遍的理由。
そして日本と朝鮮半島に横たわる、植民地支配という悲劇に対する個別的理由。
この普遍的理由と個別的理由から、私たち日本社会は朝鮮学校を受け入れ、日本人の公立・私立学校と同等に扱う必要があると思われます。
またそれ以上に、差別を解消するための積極的な政策を講じるべきです。

今回の県政に対する再考と変更を強く求めます。