朝鮮学校の生徒たちの言葉を読むと、私は涙がでるのです。けれどそれは、くやしかったり、悲しかったりする時のいつもの涙とはちがうようです。こちらをまっすぐにみつめる言葉の透明なまなざしが、私の琴線を射るのです。 そして眼からおのづと涙がこぼれるのですが、それはまなざしに応える、いわば応答としての涙です。これは、もしかしたら朴さんや李さんが素晴らしい日本人の話をしたときにこぼした、あの雪解け水のような涙と、同じ透明度を持つものかもしれません。
昨日にひきつづき、広島朝鮮高級学校生の作品です。みんな45分の授業の中で書いてくれました。
無題
高三 黄希奈
色んな歴史を経て、「今」がある。
誰が何と言おうとも「今」を変える事は出来ない。
でも未来を変えることはできる。
そのためには「今」を頑張れば良いのだ。
日本と朝鮮
過去の悲しい出来事から抜け出して
力を合わせて明るい未来へ駆けだそう
そのためには「今」が大切だ
どんな小さな出来事でも
理解しあわなければいけない
「今」私たちに何が出来る?
それは
同じ高校生として、
朝鮮人としての
心の叫びを伝え続けることだ。
無題
高三 李愛理
響け この思い 土の根っこまで
どんな 強い風が 遮ろうとも
育て 立派な葉を つけて
激しい雨が 降り続けても
負けるな しっかり根を張って
荒れ狂う波が 押し寄せても
太陽の光を たっぷり 浴びて
胸を張って 堂々と 響け
私たちの願いよ 根っこまで
忘れられない
高三 許佳恵
「朝鮮学校無償化除外、反対!」
「私たちも同じ高校生なんです!」
その声を聞き、私の前で立ち止まった男の人
その人はまだ若く、サングラスをかけていた
右手には私たちが配ったビラ
左手には杖を持っていた
「署名お願いします!」
と声をかけると
その人は肩にかけていたかばんの中から
一枚のカードを取りだした
「障害者カード」
カードには名前と住所が書かれていた
必死でジェスチャーをする彼を見て
目が見えないんだと分かった私は
カードに書いてある名前と住所を署名用紙に書いた
彼は杖で点字ブロックの上を歩いて行った
いままで何人もの人にもらった署名
でも、いちばん忘れられない署名