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河津聖恵のブログ 「詩空間」

この世界が輝きわたる詩のプリズムを探しつづける。

朝鮮学校にも『高校無償化』制度の適用を!7.11京滋集会

本日、京都テルサでの集会に参加してきました。Image692
京都朝高の学校生活のビデオ上映や、多彩なビデオメッセージにリレートークと、
とても充実した内容でした。

大雨にも関わらず参加者の数は大変多く、
立ち見も出ました。
若い人も年配の人も多く
この問題に対する関心が幅広く行き渡っていることを感じました。

とりわけ弁護士である江頭節子氏の
基調報告がとても分かりやすく、ためになりました。

江頭さんは2月ジュネーヴでの国連人種差別撤廃委員会で
ビーイングをしてきたそうです。

人種差別撤廃委員会は
各国政府に報告書を義務づけています。
1995年にようやく批准した日本も
今回8年振りに報告書を出したのです。
(人種差別に関しては、日本はすごく腰が重いのです)

今回日本政府の報告書が審査委員会にかけられる時に
江頭さんたちはNGO側の報告書を持って
ビーイングをされたわけです。
(ロビーイングとは日本への質問や勧告をしてくれと働きかけることです)

その審査の直前に
「高校無償化」の朝鮮学校外しが国内で報じられました。
だからそれを
事前に報告書に盛り込んでいるNGOはもちろんなかった。
しかも、在日本朝鮮人関係者のビザが間に合わず
在日朝鮮人当事者はジュネーブにいない状況でした。

江頭さんたちは
審査直前のわずかな時間に
一部の委員に対して急遽この問題を訴えただけでした。

しかし
事前の報告書がなかったにもかかわらず
「高校無償化」からの朝鮮学校外しについて
委員たちはとても敏感に反応したそうです。
明らかに差別である、とパッと分かったそうです。

私はこの「パッと」という江頭さんの表現が
とても印象的でした。

差別の問題について向き合ってきた人々は
差別の問題が起こった時、すぐに反応できる。
しかし差別の問題なんて関係ない、と向き合わなかったならば
実際差別が目の前に起こった時
うろたえるだけだろうと思うのです。

例えば日本の人々が
この除外問題に関心が薄いとするならば
それはこれまで差別に向き合ってこなかった脳が
この問題に向き合うことを拒んでいるせいです。

だからこの「パッと」というのが
私たちはなかなかできない。

北朝鮮のミサイルが子どもと何の関係があるのか?」
「無償化外しを日本の新聞の社説が批判していた。子どもの学習権の侵害だ」
委員たちはきっぱり言ったそうです。
そして「懸念」を審査会の最終見解にもりこんだそうです。

また江頭さんは
これまで日本政府は朝鮮学校から目をそらしていたが
今回初めて、検討するための文科省の諮問機関を作り
正面から向き合うことになったのだから
それは日本においては画期的ではないか、とも言われました。

でも
共に同じ社会に生きる隣人と向き合うという
あたりまえのことがこれまで出来なかったなんて・・。
「画期的」とは
けっして明るいひびきじゃありません。

そうそう私のリレートークですが
今回の問題をめぐっての活動の
これまでの経緯とこれからの計画について
少し語りました。
(計画はまだここでは秘密ですが)
トークのラストは
「何はともあれ、詩とは言葉によって、人と人との間に豊かな関係を創造していくもの。
 それに対し、今回の問題をめぐっては、
 人と人とを分断する言葉があふれている。
  だから、私たちは詩人として、決して除外は認められません。」
としめくくりました。
自分で語りながら
あらためて「そうだよね」と心で溜息をつきました。