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河津聖恵のブログ 「詩空間」

この世界が輝きわたる詩のプリズムを探しつづける。

2010-01-01から1年間の記事一覧

『日韓環境詩選集 地球は美しい』が刊行されました

『日韓環境詩選集 地球は美しい』(佐川亜紀・権 宅明編訳、土曜美術社販売)が刊行され ました。「地球環境の危機の時代に東アジアの叡智を表す。日韓新時代を迎えグローバルな意識で共生の世紀を目指し、現代文明の行詰りに東洋の自然と思想を復活させる詩…

「太陽の男たち」上映会&徐京植さん講演会

パレスチナ関連の映画上映会&講演会のお知らせです。中東映画研究会(Mefist)第1回研究会として、11月28日(日)13:30より、京都大学にて、パレスチナ人作家ガッサーン・カナファーニー原作の不朽の名作「太陽の男たち」(1972年、シリア、日本語字幕つ…

私はみたいとは思いません

私はそのビデオをみたことはありません私はそのビデオをみたいとは思いません みたいみたいと思っているのは何者でしょうみたいみたいというそれは紙のようになんとかわききった欲望でしょう欲望の影が波のようにうごめいています うすっぺらな欲望がこの世…

善魔

「善魔」ということばを今思い出しています。 夜の報道番組でマイクを向けられた道行く人々はみな野蛮な隣国からこの国を護らなくてはならない、とレポーターに告げていました。まるでそれがゆるぎない善のように。いつか画面で少女がいきなり核実験なんて許…

今必要なのは

「他者はとおい。他者とのあいだには本当は深い深淵がひらいている。私は一人で真実の世界の姿は闇なのかもしれない」 昨日そのようなニヒルなことも書きました。そのように「深淵」や「闇」と書くことでどこか安心する自分もたしかにいるのです。 この世は…

闇に沈まないために

このブログでは私が読んでもらいたいと思う他者の文章や言葉をたくさん紹介しています。なぜそれらを読んでもらいたいと思ったのか。それは総じて紹介した言葉には真実があり、無条件に信じることができるものがある、と思ったからです。つまりそれはただひ…

「朝鮮学校で学び」�「安(ぺいあん)

11月1日付神奈川新聞に掲載された在日朝鮮人二世の方のエッセイです。 時流自流 かながわ この人が語る 朝鮮学校で学び 外国人学校ネットワークかながわ世話人・�「安(ぺいあん) 5ヶ月前、滞在先のカナダから送られてきたメールは刺激的だった。<朝鮮…

めがね

めがねを新調しました。 他愛ない話ですが、17歳の頃からめがねを愛用している私にはちょっとした存在の変化をもたらす出来事です。 何年かぶりの視力検査も緊張しました。ど近眼の私はだんだん芥子粒のようになっていくひらがなをよめよめといわれるのが…

詩歌の本棚 2010年11月1日新刊評

昨日の京都新聞朝刊に掲載された詩集評です。現代詩に対する私自身の現在のスタンスを、自分なりに平明に書けたかと思います。 *********** 詩歌の本棚 2010年11月1日新刊評 河津聖恵 俳句や短歌が音節の数や音の響きによって、私たちの深く隠さ…

梁石日『めぐりくる春』(金曜日)

「従軍慰安婦」の苛酷な運命と真実を描いたフィクションです。 真実を描いたフィクション、とは、言語矛盾のようですが、そうとしかいいようがありません。 息もつかせぬ迫力ある筆致と繊細な心理描写。物として扱われ、名も痕跡も残さず死んでいった女たち…

『社会評論』163号「BOOK WATCH」

『社会評論』163号「BOOK WATCH」に『朝鮮学校無償化除外反対アンソロジー』の書評 が掲載されました。 *********** 本詩集は、今年の七月に、詩人の河津聖恵さんが呼びかけ人となり、刊行された。四月の朝鮮学校の排除決定から三か月が経過し…

訃報

訃報です。3月に、広島朝鮮学校でお会いしてお話を伺った呂相豪(リョ・サンホ)さんがお亡くなりになりました。あの日、病を押して学校まで出来て下さり、学校の歴史や移転の経緯、入市被爆のことなど、初めて会った私たちに、本当にたくさんのことを語っ…

大門正克「あらためて問われる歴史家」

『歴史学研究』の月報に掲載された、日本近現代史学者である大門正克さんの論考です。同誌を編集するのは、日本を代表する歴史研究の学術団体である「歴史学研究会」。同会が2010年度大会総会で決議した「朝鮮学校を『高校無償化』措置から除外する日本…

四方田犬彦「舟」

「三蔵3」に掲載された四方田犬彦さんの「わが煉獄・抄」に感銘を受けました。その第一番目の作品「舟」を転載させて頂きます(以前も書いたように、私はキーボードで打ちながら、指先で詩にふれるのが好きです)。ランボーの「酩酊船」が140年の流浪の…

熱い二時間でした

今日は本当に寒い日でしたね。 けれど今夜は熱い二時間をすごしました。 府立文化芸術会館で行われた京都朝鮮中高級学校の芸術発表会に行ってきました。生徒さんたちの渾身の演奏と舞踊に心を揺さぶられました。 民族楽器やチェロやマリンバの演奏(まさに天…

涙は雪解け水

涙について考えています。 今日初めて出会ったその人はなぜふいに目の前で涙をこぼしたのか、と。 6月に出会ったひとも、今日出会った彼女も、うつくしい瞳をみひらいたまま(充血もせず)みえない潮の必然の高まりのようになぜふいに涙をこぼしたのだろう…

思いがけなくお返事をいただきました。

思いがけなく、お返事をいただきました。 お便りありがとうございました。 ご承知のように、高校無償化法は、1979年に日本も批准した国際人権A規約(高等教育無償化の理念)を遅まきながら具体化するもので、国籍を問わずすべての子どもの学ぶ権利を保…

大斎原で朗読会を

今回も、みなで熊野を少し旅しました。田辺から中辺路を、熊野本宮大社の旧社地である大斎原(おおゆのはら)まで車で行きました。 熊野信仰の中心地です。かつてすべての道はここをめざしました。 私の大好きなトポスで、もう何度も来ました。でも昼に来た…

10月23日「龍神」朗読会(於・ギャラリー寿苑in田辺)

一昨日23日、紀州での朗読会を無事終えました。 会場は昨年と同じギャラリー寿苑でした。少人数でしたが、温かでとても良い会になったと思います。 私は「龍神」から7篇朗読しました。それぞれにBGMを付け、パワーポイントで関連画像も映写しました。 …

絶対的に問題なのは

残念ながら、まだ朝鮮学校の高校無償化は実現していません。報道に一喜一憂することになく頑張らなくてはなりません。 今回の除外問題がなぜ大きな危険をはらんでいるのか。誰しもが分かっているはずです。 絶対的に問題なのはそこにまず政治的なまなざしが…

「わたしたちにあるもの」が国会で朗読されました!

お知らせです! 昨日の国会で「朝鮮学校無償化除外反対アンソロジー」に収められた京都朝高生の安�a葉さんの詩が、社民党の又市征治議員によって朗読されました!! http://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/index.php 上記ページの左上カレンダー10月18日をク…

門林岩雄『梅園』

私はかなり若い頃から、 ゆえしらぬ緊張に悩まされています。 笑ったり楽しんだりしているときすらときに根深い緊張の氷のうえにいるような気がするのです。楽しくない、というのではないけれど氷が溶けるほどの楽しさをなかなか味わえない。 しかし、だから…

たかぎたかよし『夜の叙法 ふでさき─三つの断簡─』

たかぎたかよし『夜の叙法 ふでさき─三つの断簡─』(編集工房ノア)。 おお、と思いました。怖ろしい緊張感にみちみちている詩集です。カバーの色「瓶覗(かめのぞき)」は私も大好きな色ですが色の名前が不思議です。この「瓶覗」はどんな精神の瓶を覗いて…

丁 海玉『こくごのきまり』

丁 海玉(チヨン・ヘオク)『こくごのきまり』(土曜美術社出版販売)が面白いです。 ひらがなの多用がこちらの胸に響かせる淋しさといとおしさ。これはなんだろう、とおもって読みすすめました。 この詩集で多用されるひらがなは単に柔らかな感じや口語的な印…

異様な人々

私は当時二三歳だった牟さんの外界に対する認識を聞き、日本と中国青年の精神の違いに感心する。彼は死と隣り合せの極限状況にありながら、外の状態に活き活きとした関心を向け、決して自閉化していない。『きけわだつみのこえ──日本戦没学生の手記』の青年…

光のひとと

今日は、人の惨い冷たさと深い温かさの双方にひきさかれるような日でした。 詳しいことはいいません。その人はこのブログを読んでいるかもしれませんが、しかし私が悲しむのは私を文字で誹謗したその人についてではなくそのひとの周囲の、これまで信頼してき…

タルオルム最新情報

日刊イオ(http://blog.goo.ne.jp/gekkan-io/、本ブログにもリンク済み)に、以前ここで紹介した「金銀花永夜」の劇団タルオルムの最新情報がアップされています。マダン劇「4.24の風」を東京朝鮮中高級学校で上演したとのこと。マダン劇とは、舞台を観…

若き詩人たちとの対話

一昨日、京都朝鮮中高級学校を、新聞取材に同行し訪問しました。 これで昨年末から四回目の訪問となります。 『朝鮮学校無償化除外反対アンソロジー』に参加してくれた安�a葉さん、鄭勇成さん、趙健秀さんとお話しすることができました。 それぞれ「私たちに…

「ポラム」に『アンソロジー』の感想が掲載されました!

岐阜朝鮮初中級学校の子どもたちを支援する会「ポラムの会」の会報誌「ポラム」に『朝鮮学校無償化除外反対アンソロジー』への感想が掲載されました。 ************************* 「−私たちはまず、自分が朝鮮学校について何も知ら…

エクリチュール再生?

「絶対に現代的でなければならない」とたしかランボーは言ったのだと思います。 もちろんその「現代性」とは自分は一個の他者である、とか見者でなければならない、といういわば「社会性」とひとしいはずです。 現代詩とはなにかをかんがえるときやはりそう…