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河津聖恵のブログ 「詩空間」

この世界が輝きわたる詩のプリズムを探しつづける。

2010-09-01から1ヶ月間の記事一覧

四方田犬彦「いつもすでに中上より遅れて」

「現代詩手帖」10月号に『龍神』の書評が掲載されましたので、転載します。「事後性」とは大切な出来事に遅れてしまった、という意識のあり方です。ちょっと「痛い」ところをつかれた気がしました。たしかに私にとって、紀州の自然は、詩を書かずにはいら…

中国・広州の生命力

夫が昨日、中国・広州市から帰国しました。 仕事で短期間の滞在でしたが、行く前は尖閣沖事件の影響を心配していました。しかし行ってみると、列車の中でも、町中でもそんな心配をふきとばすような人々の生命力にみちていてひたすら圧倒されたそうです。 受…

失礼しました・・・

昨日の記事(「「白熱教室」みました」)の中で「国会にもサンデル先生を」と感想をのべていた国会議員の方がいたと書きましたが、その時は誰か分からなくて、あとで人に教えてもらいました。共産党の宮本たけしさんです。まことに失礼しました。新聞で写真…

「白熱教室」みました

マイケル・サンデル教授の白熱教室、みました。一時間半でしたが(実際はもっと長時間だったんですよね)文字通り白熱していて(あるいは学生の緊張が伝わってきたのかな)あっという間に過ぎ去りました。 いやー、学生たちは準備おこたりなく、先生の本をし…

第2回「尹東柱を読む会」(一)

昨日、喫茶美術館で第2回「尹東柱を読む会」が行われました。第1回目にもまして、東柱の詩について、そして東柱をめぐって詩とは何かについて熱い意見が交わされました。 第一部講師は、日本キリスト改革派名古屋教会牧師で詩人でもある木下裕也さん。「尹…

マイケル・サンデル「白熱教室」

本日の京都新聞に、共同通信の配信で『これからの「正義」の話をしよう』の著者、政治哲学者のマイケル・サンデルのインタビュー記事がありました。 「なぜ、私の本がそんなに売れるのか。正義とか、倫理とか。人々が共有する『善』という価値観などにかかわ…

詩「友だち」

*許玉汝さんの詩への返歌として 友だち すぐ近くまで 虻の姿をした他者が 光をまとって飛んできている(吉野弘「生命は」) 河津聖恵 あなたはいつから私を呼んでいたのだろう 風は花粉の匂いをたしかに運んでいた海は遠くで輝きをましつづけていた私は呼ば…

朝鮮学校は他者を知る大切な現場

先日、文芸同の会合に出た翌日18日に 大阪朝鮮第四初級学校を見学させていただきました。入口の自販機の前で、校長先生が汗だくになって、空き缶潰しをしていました。同行していた野樹さんはそれ見て「いっぺんにその学校を好きになった」そうです。 うー…

水野直樹「朝鮮学校への「高校無償化」適用問題を考える」

大阪府の朝鮮学校の補助金給付の是非を検討してきた「専門科部会」が、補助金を出す条件として、教育内容に踏み込んだ条件を出したという報道がありました。しかしその条件が、橋下知事がこの会議に要望していた条件をほぼ引き写したものであることは、明白…

アリエッティ考

昨日みたアリエッティの映画の小さな人々のけなげな姿がどうして心に残ったのかを考えています。 心の襞をこまやかに描くストーリー展開キャラクターの可愛らしさ微視的な背景画の素晴らしさもあいまって私の魂の深くにある森のようなものがざわめかせられた…

「借りぐらしのアリエッティ」をついにみました

ずっと以前にレンタルで主題歌のCDを聴いて以来気になっていたアニメ「借りぐらしのアリエッティ」を昨日みてきました。御覧になった方は星の数ほどいらっしゃると思います。 私はまず音楽から聴いたわけですがセシル・コルベルの妖精めいた非現実的でアン…

お知らせ

ただ今をもって『朝鮮学校無償化除外反対アンソロジー』の販売を締め切らせていただきました。 ご支援ご協力ありがとうございました。

「言葉でたたかう、うたびとたち」

イオ10月号の書評です。なお今号特集は、大変興味深い朝鮮アニメ特集。 ***************** 言葉でたたかう、うたびとたち 張慧純 この本は高校無償化からの「朝高排除」を言葉による暴力の問題と捉えた詩人たちが、心の叫びを紡ぎ上げた…

第2回「東柱を読む会」のお知らせ

きたる25日、下記のような会を催します(私も主宰者の一人です)。お時間のある方はぜひご参加下さい。 私たちはこの会を、尹東柱という共通語によって語り合う、そしてさまざまな人と人とのつながりが広がっていくきっかけにしたいと考えています。 尹東…

「文芸同」の会合に出席しました

昨夜、大阪市東成区役所で行われた 在日の詩人たちの文学集団「文芸同」の会合に出席しました。出席メンバー九名全員が『朝鮮学校無償化除外反対反対アンソロジー』に参加した詩人たちです。 広島から駆けつけてくれた野樹かずみさんと一緒に参加しました。 …

マイケル・サンデル『これからの「正義」の話をしよう』(終)

サンデルの言葉をくりかえします。 「自分の国が過去に犯した過ちを償うのは、国への忠誠を表明する一つの方法である。」 忠誠、というのはいかにもアメリカ的でしょうか。それとも、アメリカ的な愛国心のあり方を揶揄しているのか分かりません。 あるいは …

ふたつのブログで紹介されました!

『朝鮮学校無償化除外アンソロジー』がふたつのブログで紹介されました! 井上哲士参議院議員のブログhttp://www.inoue-satoshi.com/sf2_diary/sf2_diary/top.html 日刊イオ(月刊イオがおくる日刊編集後記)http://blog.goo.ne.jp/gekkan-io/ なお、お陰様…

マイケル・サンデル『これからの「正義」の話をしよう』(四)

「愛国心」。この国で今そう何のためらいもなく口にしうる人を私は疑わしいと思います。そうではなくそれを口にしようとしてためらう人こそが信じられます。 「愛国心」と言うときの私のためらいは日の丸の明るい赤を見るときどこか痛みが走るのと似ています…

マイケル・サンデル『これからの「正義」の話をしよう』(三)

(サンデルの著書には最近の自分の活動の「琴線」に触れるものが多く、しばらくこうして思いつくまま書いていきます) 愛国心と何でしょう?私はなぜ「愛国」という文字を見る度にどきっとするのでしょう? 「大いに議論のある道徳的心情だ」とサンデルは言…

マイケル・サンデル『これからの「正義」の話をしよう』(二)

サンデルの問いかけは、いずれも単刀直入。そのものズバリ。急所を衝くというか、大胆です。 それは、十全に答えが準備されているからでしょう。 たとえば「愛国心とは何か」。 私たち日本人にはかなり痛い問いではないでしょうか。少なくとも私はそうです。…

マイケル・サンデル『これからの「正義」の話をしよう』

最近、いつもバッグに入れて暇が出来た時に読んでいる本。 今年のベストセラーみたいですね。酷暑から逃れてふらっと入った書店で「第1位」の白抜き文字に吸い寄せられるように手にしました。 書評などで気にはなっていましたが。奥付を見ると7月30日で…

テーブルトーク 朝鮮学校問題 自由への回路求め

本日9月11日付朝日新聞夕刊文化面に、記事が掲載されました。配信エリアは関西圏のみのようです。詩と自由との関わりは私が一番言いたかったことです。この「自由」は、昨日の「しんぶん赤旗」のエッセイでいえば、他者との関係へと「解き放たれること」…

さらに「私たちのうた」を──朝鮮学校無償化除外に反対して

本日(9月10日)付しんぶん赤旗文化欄にエッセイが掲載されました。 さらに「私たちのうた」を──朝鮮学校無償化除外に反対して 河津聖恵 さる8月1日、私が呼びかけ人となり、詩人・歌人・俳人(以下詩人と総称)79名による『朝鮮学校無償化除外反対ア…

それは否定しないんですけれど

昨夜NHK総合で放映された「大阪の未来をどうする」。 大阪府橋下知事と大阪市平松市長との、「直接意見交換」です。 (平松市長は数年前、市長公館での三好達治賞の授賞式でお見かけしました。) 番組の感想は、これって意見交換なのかしら?という疑問。…

マイダネックより

今ポーランドにいる夫が送ってきた写真です。 ポーランド東部ルブリン近郊のマイダネック収容所。 第2次世界大戦中 ナチス・ドイツによるホロコースト(ユダヤ人大虐殺)の舞台となった強制収容所の一つです。アウシュビッツ収容所に次ぐ規模で、現在は博物…

きかせてもらたいものです

朝の新聞記事を見て、あきれかえりました。いまだ、いまさらこんなことを言うのか、こんなことがあるのか、と重い鉛のかなづちで頭をなぐられたようでした。 二つあります。 石原都知事の、都内の朝鮮学校への補助金見直しの記事。もう引用するのもいやです…

『朝鮮学校無償化除外反対アンソロジー』の第二刷が出来ました!

『朝鮮学校無償化除外反対アンソロジー』の第二刷が出来ました! 新たな序文と各所訂正を施した完全版です。 みなさまに是非手に取っていただきたいと思います。 ご注文はkiyoe51803291@kib.biglobe.ne.jp(事務局)まで送り先明記でメールしていただくか、 …

朴才暎「歌、美しい歌」

『朝鮮学校無償化反対アンソロジー』の掉尾を飾る朴才暎(パク・チェヨン)さんの詩を紹介します。 朴さんは、青森生まれ。東京中高級学校出身の在日コリアン二世。藤原書店から自伝エッセイ『ふたつの故郷(ふるさと)』を出されています。 私たちは、この…

昨日の朝日新聞社説について

昨日の朝日新聞社説。これが私たちの社会の良識だと思います。幅広い層に訴えかけようとする懐の深さを感じさせました。 いまだ一部に根強い偏見や誤った認識にもとづく除外の動き。その根底には現在フランスでも問題になっている外国人排斥という人間の本能…

9月5日付朝日新聞社説

社説 朝鮮学校 日本社会の度量を示そう 在日朝鮮人の若者たちが「なぜ自分たちだけが取り残されるのか」と、つらい思いで2学期を迎えている。 朝鮮高級学校をめぐり、文部科学省の専門家会議が、授業料無償化の学校にふくめるかどうか判断するための基準を…